『恋するリベラーチェ』(Behind the Candelabra)は、スティーヴン・ソダーバーグ監督による2013年のアメリカ合衆国のドラマ映画である。1950年代から1980年代にかけて世界的に人気を博したアメリカ人ピアニストのリベラーチェの最後の10年間を描いた伝記であり、元恋人のスコット・ソーソン(英語版)の回想録『Behind the Candelabra: My Life With Liberace』(1988年)を原作としている[3]。2013年5月21日にカンヌ国際映画祭でプレミア上映され、パルム・ドールを競った[4]。アメリカ合衆国では2013年5月26日にHBOにテレビ放送、イギリスでは6月7日に劇場公開された[5]。
プロモーションの際、ソダーバーグは本作を最後に当分のあいだ監督職を休業する予定であることを明かした[3][6]。また2012年8月6日に亡くなったマーヴィン・ハムリッシュが最後に映画音楽を手がけた作品である[7][8]。
キャスト
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- マイケル・ダグラス - リベラーチェ
- マット・デイモン - スコット・ソーソン(英語版)
- ダン・エイクロイド - シーモア・ヘラー(英語版)
- ロブ・ロウ
- デビー・レイノルズ
- スコット・バクラ
- トム・パパ(英語版)
- ニッキー・カット(英語版)
- シャイアン・ジャクソン
- ポール・ライザー
- ボイド・ホルブルック
- オースティン・ストウェル
- デヴィッド・ケックナー
製作
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監督のスティーヴン・ソダーバーグは『トラフィック』(2000年)の製作中にマイケル・ダグラスに初めてリベラーチェの映画のアイデアを話した[6]。2008年、ソダーバーグはスコット・ソーソン(英語版)の回想録『Behind the Candelabra: My Life With Liberace』を基としたアイデアを脚本家のリチャード・ラグラヴェネーズに話した[9]。同年9月、プロジェクトは公式に発表され、マット・デイモンがソーソン役で契約し、またダグラスがリベラーチェ役に交渉された[10]。
翌年、ダグラスは正式に契約を交わした[11]。それから数年にわたってソダーバーグは企画を進めるが、ハリウッドのスタジオ側の「あまりにも同性愛的」であるという理由から資金調達は難航した[12][13][14]。この長い企画段階の間、ダグラスとデイモンは出演降板をすることはなかった[9]。最終的にHBOフィルムズ(英語版)が引き受け、2012年に2300万ドルの予算で約30日間の撮影が行われた[2]。
評価
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批評家の反応
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Rotten Tomatoesでは92件のレビューで支持率は95%、平均点は10点満点中8.2点となっている[15]。Metacriticでは30件のレビューで加重平均値は82/100となっている[16]。
『ガーディアン』のピーター・ブラッドショーは5つ星のうち4つを与え、「ブラックコメディーとしても、セレブの孤独を描いたドラマにしてもとても良い出来だ。マイケル・ダグラスとマット・デイモンの演技も申し分ない。」と評した[17]。
一方、『ワシントン・ポスト』のハンク・スチュエヴァーは「物語がやたら憂鬱な感じを与えるが、中身はない。」と批判した[18]。
受賞とノミネート
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第66回カンヌ国際映画祭ではベビー・ボーイ(リベラーチェが飼っていたペットのプードル)がパルム・ドッグ賞を獲得した[19]。プライムタイム・エミー賞には作品賞 (ミニシリーズ/テレビ映画部門)を含む15部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、主演男優賞(マイケル・ダグラス)を含む11部門において受賞を果たした。
また、2013年のハリウッド映画祭において、本作の製作総指揮を務めたジェリー・ワイントローブがレジェンド賞を受賞した[20]。
さらに、堺市出身の矢田弘がエミー賞の特殊メーキャップ賞を受賞した[21]。
参考文献
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- ^ “BEHIND THE CANDELABRA (15)”. British Board of Film Classification (2013年5月17日). 2013年5月29日閲覧。
- ^ a b “AP Interview: Soderbergh On Quitting Movies”. Associated Press. NPR (May 20, 2013). June 1, 2013閲覧。
- ^ a b “BEHIND THE CANDELABRA; The Book, The Movie”. EarlyWord (March 20, 2013). 2013年8月12日閲覧。
- ^ “2013 Official Selection”. Cannes (18 April 2013). 18 April 2013閲覧。
- ^ Higgins, Charlotte (2013年5月21日). “Behind the Candelabra is tipped for Cannes success – but can't win Oscar”. Guardian. http://www.guardian.co.uk/film/2013/may/21/behind-the-candelabra-cannes-oscar 2013年5月25日閲覧。
- ^ a b Azzopardi, Chris (May 16, 2013). “Behind the ‘Candelabra’”. Out & About Nashville. June 2, 2013閲覧。
- ^ Jagernauth, Kevin (August 9, 2012). “Steven Soderbergh's 'Behind The Candelabra' Will Feature Marvin Hamlisch's Final Score”. IndieWire. June 1, 2013閲覧。
- ^ Lang, Brent (August 7, 2012). “Marvin Hamlisch, Composed 'The Way We Were,' Dies at 68”. The Wrap. 2013年6月1日閲覧。
- ^ a b Radish, Christina (May 26, 2013). “Richard LaGravenese Talks BEHIND THE CANDELABRA, Signing on to the Film, Input from Matt Damon and Michael Douglas & Working with Steven Soderbergh”. Collider.com. June 1, 2013閲覧。
- ^ Chen, David (September 11, 2008). “Soderbergh To Direct "Liberace" Biopic, Michael Douglas To Play Lead”. /Film. June 1, 2013閲覧。
- ^ Dominguez, Robert (September 16, 2009). “Michael Douglas signs on to play Liberace in new biopic - and playing his lover will be ...”. NY Daily News. June 1, 2013閲覧。
- ^ Jagernauth, Kevin (2013-01-05). Steven Soderbergh Says 'Behind The Candelabra' Was Rejected By Hollywood Studios For Being "Too Gay". Indiewire. https://www.indiewire.com/theplaylist/steven-soderbergh-says-behind-the-candelbra-was-rejected-by-hollywood-studios-for-being-too-gay-20130105 2013年5月26日閲覧。.
- ^ Cannes Film Festival: Behind the Candelabra and Omar. BBC. (2013-05-22). https://www.bbc.com/culture/article/20130522-too-gay-liberace-film-at-cannes 2013年5月26日閲覧。.
- ^ Frosch, Jon (2013-05-21). Steven Soderbergh's 'Too-Gay' Liberace Movie Has Arrived at Cannes. The Atlantic. https://www.theatlantic.com/entertainment/archive/2013/05/steven-soderberghs-too-gay-liberace-movie-has-arrived-at-cannes/276095/ 2013年5月26日閲覧。.
- ^ “Behind the Candelabra (2013)”. Rotten Tomatoes. Flixster. 2013年8月12日閲覧。
- ^ “Behind the Candelabra – Metacitic”. Metacritic. CBS Interactive. 2013年8月12日閲覧。
- ^ “Cannes 2013: Behind the Candelabra – first look review”. 2013年9月27日閲覧。
- ^ “In HBO’s ‘Behind the Candelabra,’ Liberace is a real drag”. 2013年9月27日閲覧。
- ^ “Cannes Palm Dog Award Goes to Liberace’s Blind Poodle”. Variety (26 May 2013). 26 May 2013閲覧。
- ^ “JERRY WEINTRAUB TO BE HONORED WITH THE INAUGURAL “HOLLYWOOD LEGEND AWARD””. 2013年9月19日閲覧。
- ^ エミー賞に大阪出身の矢田弘さん 特殊メーキャップ担当
外部リンク
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スティーヴン・ソダーバーグ監督作品 |
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| 映画 |
| 1980年代 |
- 9012Live(1985)
- セックスと嘘とビデオテープ(1989)
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|---|
| 1990年代 |
- KAFKA/迷宮の悪夢(1991)
- わが街 セントルイス(1993)
- 蒼い記憶(1995)
- グレイズ・アナトミー(1996)
- スキゾポリス(1996)
- アウト・オブ・サイト(1998)
- イギリスから来た男(1999)
|
|---|
| 2000年代 |
- エリン・ブロコビッチ(2000)
- トラフィック(2000)
- オーシャンズ11(2001)
- ソラリス(2002)
- フル・フロンタル(2002)
- 愛の神、エロス(2004)
- オーシャンズ12(2004)
- Bubble/バブル(2005)
- さらば、ベルリン(2006)
- オーシャンズ13(2007)
- チェ(28歳の革命 / 39歳 別れの手紙)(2008)
- ガールフレンド・エクスペリエンス(2009)
- インフォーマント!(2009)
|
|---|
| 2010年代 |
- And Everything Is Going Fine(2010)
- コンテイジョン(2011)
- エージェント・マロリー(2012)
- マジック・マイク(2012)
- サイド・エフェクト(2013)
- 恋するリベラーチェ(2013)
- ローガン・ラッキー(2017)
- アンセイン 〜狂気の真実〜(2018)
- ハイ・フライング・バード -目指せバスケの頂点-(2019)
- ザ・ランドロマット -パナマ文書流出-(2019)
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|---|
| 2020年代 |
- レット・ゼム・オール・トーク(2020)
- クライム・ゲーム(2021)
- マジック・マイク ラストダンス(2023)
- プレゼンス 存在(2025)
|
|---|
| 制作 |
- カラー・オブ・ハート(1998)
- クリミナル(2004)
- ジャケット(2005)
- ソリタリー・マン(2009)
- オーシャンズ8(2018)
- ザ・レポート(2019)
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|---|
| 脚本 |
- Nightwatch(1997)
- クリミナル(2004)
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|---|
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|---|
| テレビシリーズ |
- The Knick/ザ・ニック(2014 - 2015)
- ガールフレンド・エクスペリエンス(2016 - )
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|---|
カテゴリ |
プライムタイム・エミー賞 リミテッド・シリーズ 作品賞 |
|---|
| 1970年代 |
- Tom Brown's Schooldays(1973)
- 刑事コロンボ: スペシャル(1974)
- Benjamin Franklin(1975)
- アップステアーズ、ダウンステアーズ(1976)
- ルーツ(1977)
- ホロコースト/戦争と家族(1978)
- ルーツ2(1979)
|
|---|
| 1980年代 |
- Edward & Mrs. Simpson(1980)
- 将軍 SHŌGUN(1981)
- マルコ・ポーロ シルクロードの冒険(1982)
- The Life and Adventures of Nicholas Nickleby(1983)
- Concealed Enemies(1984)
- The Jewel in the Crown(1985)
- 愛と戦いの日々・ロマノフ王朝大帝ピョートルの生涯(1986)
- A Year in the Life(1987)
- 七十年目の審判(1988)
- 戦争の黙示録(1989)
|
|---|
| 1990年代 |
- ドラッグ・ウォーズ/麻薬戦争(1990)
- 裁かれた壁〜アメリカ・平等への闘い〜(1991)
- ジャクリーン/ケネディが愛した女(1992)
- 第一容疑者 シリーズ2(1993)
- 第一容疑者 シリーズ3(1994)
- Joseph(1995)
- ガリバー/小人の国・大人の国(1996)
- 第一容疑者 シリーズ5(1997)
- フロム・ジ・アース/人類、月に立つ(1998)
- ホーンブロワー 海の勇者(1999)
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|---|
| 2000年代 |
- The Corner(2000)
- アンネ・フランク 真実の物語(2001)
- バンド・オブ・ブラザース(2002)
- TAKEN(2003)
- エンジェルス・イン・アメリカ(2004)
- ロスト・プリンス 〜悲劇の英国プリンス物語〜(2005)
- エリザベス1世 〜愛と陰謀の王宮〜(2006)
- ブロークン・トレイル 遥かなる旅路(2007)
- ジョン・アダムズ(2008)
- リトル・ドリット(2009)
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|---|
| 2010年代 |
- ザ・パシフィック(2010)
- ダウントン・アビー(2011)
- ゲーム・チェンジ 大統領選を駆け抜けた女(2012)
- 恋するリベラーチェ(2013)
- FARGO/ファーゴ(2014)
- オリーヴ・キタリッジ(2015)
- アメリカン・クライム・ストーリー/O・J・シンプソン事件(2016)
- ビッグ・リトル・ライズ(2017)
- アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺(2018)
- チェルノブイリ(2019)
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|---|
| 2020年代 |
- ウォッチメン(2020)
- クイーンズ・ギャンビット(2021)
- ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾート(2022(英語版))
- BEEF/ビーフ(英語版)(2023(英語版))
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エミー賞(プライムタイム・デイタイム・国際) |
典拠管理データベース  |
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| 全般 | |
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| 国立図書館 | |
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