University of Washington | |
別名 | UW |
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旧称 | Territorial University of Washington (1861–1889) |
モットー | Lux sit |
モットー (英語) | Let there be light |
種別 | 州立大学 |
設立年 | 1861年11月4日 |
学術的提携関係 | |
所在地 |
アメリカ合衆国 ワシントン州シアトル 北緯47度39分15秒 西経122度18分29秒 / 北緯47.6542度 西経122.3081度座標: 北緯47度39分15秒 西経122度18分29秒 / 北緯47.6542度 西経122.3081度 |
キャンパス | 市中心部 |
スクールカラー | Purple and gold |
ニックネーム | ハスキーズ |
マスコット |
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公式サイト |
washington |
ワシントン大学(ワシントンだいがく、英語: University of Washington、略称: UW)は、ワシントン州シアトルに本部を置くアメリカ合衆国の州立大学。1861年創立。ワシントン州の成立以前から存在する名門大学のひとつであり、米国太平洋岸北西部の中では最大規模。公共政策分野のエバンズ公共政策大学院(Evans School)や計算機科学分野のポール・G・アレン・スクール・オブ・コンピューター・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Allen School[1])は、全米TOP10で名高い。医学大学院のワシントン大学医学部(UWSOM)は全米TOP15前後となっている。また、ロースクールのワシントン大学ロースクール(UW Law)と経営大学院(MBA提供校)のフォスター・スクール・オブ・ビジネス(UW Foster)は全米TOP25となっている。
全米でも広く知られている著名校であり、カリフォルニア大学バークレー校・ミシガン大学アナーバー校・テキサス大学オースティン校・バージニア大学・ノースカロライナ大学チャペルヒル校・フロリダ大学・コロラド大学ボルダー校などの州立大学トップ校で形成される名門校グループ「パブリック・アイビー」の一つに数えられる。
7名のノーベル賞受賞者(教授4名・卒業生3名)を輩出しており、米国で教育と研究をリードする アメリカ大学協会 Association of American Universities(AAU)62大学のメンバーである。
スポーツ分野では 全米大学体育協会(NCAA)第I区分太平洋地区12校(Division I Pacific-12 Conference)に属する。
所有する土地の総面積は200万平方フィート(約560万坪)超である。州内の三ヶ所にキャンパスを有し、最大のものはシアトルのユニバーシティ・ディストリクトにあり、その他タコマ(UW Tacoma)とボセル(UW Bothell)に分校を有する。
全体で500以上の建築物を有し、ワシントン大学プラザには22階建て・高さ99mのワシントン大学タワー「UW Tower」がある。このビルはもともと保険会社のセーフコが所有するセーフコ・ビルであったが、2006年に1億3,000万ドル(1ドル120円のレートで156億円)で周辺のビルやマンション・駐車施設とともにワシントン大学が買い取ったものである。
学内には伝統的な建築物が多く観光客も訪れる。米国有数の桜の名所でもあり「Quad」と呼ばれる学内の広場には樹齢80年以上の桜が多数みられる。天候のいい空気が澄んだ日にはタコマ富士と呼ばれるレーニア山が一望できる。10月中旬には紅葉も美しい。
学生数は2014年秋の時点で45,213人(学部生31,099人・大学院生14,114人)であり、教官数5,803人・その他職員16,174人である。2014年度入学生は6,361人で、内訳は女性 52%・男性 48%、入学時の平均年齢は20.8歳であった。
2016年秋には43,517人が志願し、6,475人が入学した。ワシントン大学に入学した学生の殆どがPre majorとして専攻に入る前の段階の学生として取り扱われるため、必須条件を満たした後に志願しなければならない。しかも必須条件を満たせば必ず志望した専攻に入れるわけではなく、特に工学部と医学部の専攻へ入るのは極めて困難である。
2014年度の年間予算は64億ドル(1US$=120円のレートで約7,680億円)であり、米国でも有数の潤沢な資金量を誇る。収入の中では各種助成金が最も多く、企業等からの助成金・契約金約14億ドル、連邦政府助成金約11億ドル、その他助成金約30億ドルである。また5,315件の研究助成金申請が認められた。
アメリカ国立科学財団(National Science Foundation)の研究助成金額では2004年-2014年においてほぼ常に上位4大学に入っていた。
学部(undergraduate)の他に16の大学院(colleges and schools)を有し、学部では1,800・大学院では370の科目(courses)が履修可能である。毎年12,000名の学士・修士・博士およびその他の学位授与者を出している。
136名のフルブライト奨学生(Fulbright Scholars)・35名のロード奨学生(Rhodes Scholars)・7名のマーシャル奨学生(Marshall Scholars)・4名のゲイツケンブリッジ奨学生(Gates Cambridge Scholars)が在籍している。
世界的に評価の高い医学系学群を特徴としており、2008年の調査ではプライマリ・ケアと看護分野が全米第1位の評価を得た。看護分野は1984年の調査開始以来、25年連続で1位となっている。
2014年には467件の特許申請がおこなわれ、そのうちの87%が認可を受けている。この中には学生が参加した研究もある。
ロースクールでは、ワシントン大学先端知的財産研究センター(CASRIP: The Center for Advanced Research and Study on Intellectual Property)を有し、知的財産分野にも力を入れている。
同州の州立大学はいくつかあるが、特にワシントン州立大学(Washington State University)とは混同されることがある。両者は略称である「UW」と「WSU」によって区別されるが、日本においてはともに「ワシントン大学」「ワシントン州立大学」「州立ワシントン大学」と訳されて混乱している。なお略称の「UW」は「ユーダブリュー」ではなく「ユーダブ」と発音し「U Dub」と記載される。
大学のロゴにはラテン語のLux Sit(Let there be light)「光あれ」が記載されているが、Be Boundless「果てしなくあれ」という標語もよく使用される。
US News & World Reportによる 2021 Best Global Universities Rankings で世界8位にランキングされた。
1位ハーバード大学、2位マサチューセッツ工科大学、3位スタンフォード大学。(日本の大学からは、東京大学(73位)がランクインしている。)
Times Higher Education による World University Rankings 2021 で世界29位にランキングされた。
全体1位はオックスフォード大学。2位スタンフォード大学。3位ハーバード大学。(日本の大学からは、東京大学(36位)、京都大学(54位)がランクインしている。)
US News & World Reportによる 2019 Best Global Universities Rankingsで世界10位にランキングされた。
1位ハーバード大学、2位マサチューセッツ工科大学、3位スタンフォード大学。
Times Higher Education による World University Rankings 2019 で世界28位にランキングされた。
全体1位はオックスフォード大学。2位ケンブリッジ大学。3位はスタンフォード大学。
US News & World Reportによる 2018 Best Global Universities Rankingsでジョンス・ホプキンス大学およびイェール大学と並んで世界10位にランキングされた[2]。
Academic Ranking of World Universitiesで世界ランキング13位となった[3]。
The World's Most Innovative Universities(世界で最も革新的な大学100)-2017で第7位に選ばれた。
U.S.News 2018全米大学院ランキング医学部のプライマリケア部門で全米1位となった。
Academic Ranking of World Universitiesで世界ランキング15位となった[4]。
U.S. News & World Report's Global University Rankingsでは世界第11位の大学として認められている。公立大学としては全体第3位のカリフォルニア大学バークレー校、全体第8位のカリフォルニア大学ロサンゼルス校に次いで世界第3位を占めた。National Taiwan University Ranking of Scientific Papersでは科学研究分野の業績で世界第5位にランクされた。
College and university rankings 2014-2015で世界ランキング25位・全米ランキング18位[5]であった。
上海交通大学発表の Academic Ranking of World Universities では2014年・2015年ともに世界ランキング15位・全米ランキング13位となっている[6]。Times Higher Education World University Rankingsでは世界31位であった。
Forbes誌による「学生の投資効果からみたランキング(学費などの在学中に必要な費用と、卒業後の給与・その他の収入とのコストパフォーマンスを比較したランキング)」では全米4,700超の大学の中で73位であった。
Center for Measuring University Performanceが発表した全米の総合大学ランキングでは11位であり、公立大学の中ではミシガン大学(7位)・カリフォルニア大学バークレー校(9位)・カリフォルニア大学ロサンゼルス校(10位)に次ぐ4番目にランクされている。
Leiden Rankingでは世界の主要500大学中27位であった。
Middle East Technical Universityが発表したUniversity Ranking by Academic Performanceでは世界の主要2,000大学中8位となっている。
創立時の大学は複数の篤志家によって寄贈された「Denny's Knoll(デニーの円丘)」と呼ばれたダウンタウンの土地にあり、東西は4th avenueと6th avenue、南北はUnion StreetとSeneca Streetで区切られた区域であった。開学からしばらくは学生がいないなどで三度の一時的休校を余儀なくされた。現在のマッカーティ・ホール(McCarty Hall)という学生寮にその名を残すクララ・アントニエッテ・マッカーティ・ウィルトという女性が、科学士の学位を受けて1876年に卒業した男女あわせて最初の卒業生である。彼女の支払った学費は年間30ドルであった。徐々に運営が軌道に乗り学生数も増加し、1895年に現在地であるユニバーシティ・ディストリクトに移転した。創立時の建物は1908年までに全てが取り壊され、跡地にはフェアモント・オリンピックホテルが建設され、5つ星ホテルとして現在に至っている。
本校であるシアトルキャンパスの他にタコマ(Tacoma)とボセル(Bothell)にいずれも1990年設置の分校を持つ。
シアトルキャンパスは703エーカー(約86万坪)の広大な敷地に200を超える建物があり、大学内の移動にもバスを利用する学生が多い。タコマ・キャンパスは広さ46エーカー、2014年の学生数4,494人であり、ボセル・キャンパスは4,963人である。
アメリカの大規模な大学は都心から離れた郊外にキャンパスを構えることが多いが、シアトルキャンパスはシアトル・マリナーズのホーム球場T-モバイル・パークや観光名所であるスペースニードルなどがあるシアトル中心部から快速バスで10分ほど、一般のバスで20分ほどの近距離にある。また日本との行き来に使われるシアトル・タコマ国際空港Sea-Tac Airportとの間もバスで30-40分と便利である。
2008年にはライトレール(LRT、日本では次世代型路面電車として期待されている交通機関)のユニバーシティリンクと呼ばれる当大学のハスキースタジアム前の駅とシアトルのダウンタウンを結ぶ新線が総工費19億ドルで着工され2016年開業した。
シアトルキャンパス内に14、ボセルとタコマキャンパスにそれぞれひとつの図書館がある。
最大のスザーロ・アレン図書館(Suzzallo and Allen Libraries)には200万冊超の蔵書があり、閲覧コーナーの総床面積は3万平方メートル以上である。各図書館は基本的に土曜・日曜も開館しており、中には24時間開いているところもある。
キャンパス内には芸術関係施設も多く、著名な団体・個人を招いての公演が学内の複数の劇場で頻繁に開催される。2015年にはフランス国立リヨン・オペラ座バレエ団、ブラジルの音楽家・政治家ジルベルト・ジル公演、日本の山海塾の公演などがおこなわれた。
シアトルキャンパス内のハスキー・スタジアムでは毎年6月に卒業式が開かれ、関係者を含めて約40,000人が出席する。
学士は黒いガウンと角帽および専攻に応じた色のタッセル、修士は黒いガウンと角帽および黒いタッセルと専攻に応じた色のフード、博士はパープルのガウンとゴールドのタッセルに博士用フードを身につけて式典に臨む。
このとき卒業生の一部がパープルの「感謝のストール(stole of gratitude)」を親や援助者に贈る伝統がある。
学生・教官その他の大学関係者はIDカードを兼ねたハスキー・カードを交付される。このカードはデビット・カードとしての機能も有しており、学内での飲食・買い物・ランドリー・駐車代・図書館のコピー代金などの決済に使用できる。
米国の多くの大学でおこなわれているように、当大学でも学生によるガイド付きキャンパス・ツアーが随時実施されている。
米国の大規模な大学では珍しくないが、当大学においても大学警察The University of Washington Police Departmentが存在する。
当大学は西海岸の実力校12大学で構成される全米大学体育協会第I区分太平洋地区12校(NCAA Division I Pacific-12 Conference、Pac-12と略称される)に属する。他の構成校はカリフォルニア大学バークレー校・オレゴン大学・オレゴン州立大学・スタンフォード大学・ワシントン州立大学・アリゾナ大学・アリゾナ州立大学・カリフォルニア大学ロサンゼルス校・コロラド大学ボルダー校・南カリフォルニア大学・ユタ大学の11校である。
主な競技としては、男子が野球・バスケットボール・クロスカントリー・フットボール・ゴルフ・ボート・サッカー・テニス・陸上競技、女子がバスケットボール・クロスカントリー・ゴルフ・体操・ビーチバレー(砂バレー sand volleyballと呼ばれる)・サッカー・ソフトボール・テニス・陸上競技・バレーボール・ボートである。
キャンパス内には 72,500 人を収容可能なホームスタジアム「ハスキー・スタジアム(Husky Stadiuam)」がある。このフットボールスタジアムは 2011 年に2億8千万ドル($1=120円で336億円)をかけて改修された。NFLのシアトル・シーホークスがキングドームに代わるセンチュリーリンク・フィールド完成までの間、ホームスタジアムとして間借りしていたこともある。$50 から $100 でシーズンチケットを購入できる。
バスケットボールのホームとして10,000人収容のバンク・オブ・アメリカ・アリーナ、野球場としてハスキー・ボールパークがある。
女子バレーボール部は全米でも指折りの強豪で、2005年の全米トーナメントでは優勝を果たした。2014年のNCAA Women's Volleyball RPIではランキング4位、2016年は6位であった。
バスケットボール部は、NBA選手でNBAオールスター・スラムダンクコンテスト(3回優勝したネイト・ロビンソンや、同じくNBAのポートランド・トレイルブレイザーズで活躍したブランドン・ロイとロビンズ・ブレントを輩出したことで知られる。
2015年7月5日にロンドンのテムズ川で開催されたヘンリー・ロイヤル・レガッタで、男子漕艇チームは男子コックス・フォア種目のアルバート王子チャレンジカップにおいてイェール大学チームを決勝で下し優勝した。同大会への参加は13回目であり過去7つの賞を獲得しているが、この種目での優勝は初めてである。
当大学のスポーツチームは,ハリー(Harry the Husky)という名前を持つハスキー犬をマスコットとしていることからハスキーズ(Huskies)と呼ばれる。マスコットのハスキー犬が実在し、運が良ければキャンパス内をひとりで散歩する姿を見ることができる。各スポーツチームのユニフォームはスクールカラーであるパープルとゴールドを基調とし、ワシントン WASHINGTON や W の文字とともにハスキーズ HUSKIES と記されているものも多い。
米国にはワシントンの名を含む名称の大学が少なくない。Washington State University(ワシントン州プルマン)・ The George Washington University(ワシントンD.C.)・Washington University in St. Louis(ミズーリ州セントルイス)・Washington College(メリーランド州チェスタータウン)・Wasington and Jefferson College(ペンシルベニア州ワシントン)・Washington and Lee University(バージニア州レキシントン)などがあり、これら大学との混同に注意が必要である。
各界の著名人がキャンパスを訪れる事も多く、ビル・ゲイツ・ジミー・カーター・ダライ・ラマ14世などがゲストスピーカーとして招かれている。2008年の第133回卒業式にはクインシー・ジョーンズが招かれ、卒業生を激励するとともに本人も40,000人の出席者の前で名誉学位を授与された。
2015年6月13日に開かれた第140回卒業式で祝辞を述べた クリスティン・グレゴワールは1969年の同大学卒業生である。1988年に同大学環境学部長、1992年には同州初の女性検事総長となり、さらに2005年から2013年までワシントン州知事の席にあった。
本大学の医学およびゲノム科学教授であるメアリー=クレア・キングが2015年のアメリカ国家科学賞を9名の受賞者の一人として受けることが決定した。キング教授は癌遺伝子研究における国際的リーダーであり、遺伝型乳癌に関するBRCA1遺伝子を発見した。