舌打ち(したうち)とは、舌と口腔を使って音を出す、人間の行為のひとつである。俗に「舌を鳴らす」とも呼ばれることがあるが、この言い回しには違う意味が含まれることもあるので使用には注意を要する。
通常、以下のような手順で行われる。
口の形や舌の位置を変えることで、音質も若干変化させることができる。
日本では歯がゆいことがあった時や悔しい時など、何らかの不快なことがあった時に行われることが多い。このため、多くの場合他人にも不快感を与え、安易に多用すると周囲との人間関係を悪化させる可能性が高い。しかし、シリアでは同情した時、インドでは「うん」「ううん」「へぇ」「そう」のような相槌代わりなど、国や文化によってこの動作の意味は大きく異なる。
アフリカの諸語においては、数種の舌打ちに近い音が子音として用いられている(吸着音)。数種の音を使い分ける言語もある。
小動物の注意を引くなどの目的で上述の動作を行う場合は「舌打ち」とは呼ばれずに「舌を鳴らす」などと呼ばれることも多い。
また、口をすぼめた状態(唇を突き出した状態。いわゆるおちょぼ口)で人間に対して(特に、相手の目を見て)舌を鳴らすと、音や動作が接吻に酷似しているため、愛情表現の一種と受け取られることがままある。
小説や漫画などで「ちっ」「ちぇっ」などと表記されている場合、不快の意を表す舌打ちとしての描写であることが多い。
そうではない場合、小動物の注意を引く時などは「ちょっちょっ」、愛情を表現する時などは「ちゅっ」「ちゅー」と表記されることもある。