Strada(ストラーダ)とは、パナソニック オートモーティブシステムズ製カーナビゲーションシステムの名称。
それまで松下通信工業(法人としては現・パナソニック モバイルコミュニケーションズ)が製造していたカーナビ(愛称「e-navi」)と九州松下電器(法人としては現・パナソニック システムネットワークス)が製造していたポータブル型カーナビ「デルNAVI」とに分けられていたPanasonicブランドのカーナビが、松下電器の社内統合によりハードウェアによるブランドの孤立をやめ、2003年よりカーナビの商品名を2003年より「ストラーダ」に統一した。2022年現在、パナソニックの事業会社の一つであるパナソニック オートモーティブシステムズ株式会社が開発を担当している。
同じブランドで中国向けもあり(CN-D105シリーズ)、国内仕様との違いはDVD・CD再生機能が省略され、SDメモリーカードに非対応、モニターが別売りなど。リモコンも販売地域によって繁体字・簡体字に分かれている。
OSはMicrosoft Windows Automotiveが用いられてきたが、2021年モデルからAndroidに変更された。
「ストラーダ」とはイタリア語で「道」という意味。ネーミングにはカーナビの新しい「道」を拓く・ 「人」と「クルマ」と「道」を結ぶカーナビ、マークにはハードから見れば:DVD・HDD・SDメモリーカード、3つのメディアが交差する・ユーザーから見ると・「人」と「クルマ」と「道」の中心にいるカーナビという意味がそれぞれこめられている。
Fクラス(ファーストクラス)モデルは、高級志向のブラックボディとブルーLED(2006年モデルまで)またはホワイトLED(2007年モデル以降)のイルミネーションというデザインに、多様なAV機能とカーナビ機能を集結し、それらを高画質・高音質で表現することを目指した上級(ハイエンド)モデル。本体やカタログには随所に、「Fクラス」ロゴを装備。
*=Fクラスのみの特徴。
2003年から開始した地上デジタルテレビジョン放送は、移動体でも受信することが可能なことから、業界に先駆け車載用地上デジタルチューナー、TU-DTV100を商品化して発売した。ある最低値の受信レベルを超えない限り鮮明で高画質な受信が可能というデジタル放送の特長を生かし、アナログ放送では解決不可能であったゴーストやノイズの影響で鮮明に受信できなかったという難問を解決した。また、電子番組ガイド(EPG)や、データ放送などの付加サービスにも対応し、家庭用テレビと遜色ない機能が用意されている。なお、デジタル放送のハイビジョン画質(1125i、750p)の映像は自動的に標準画質のプログレッシブ(525p)またはインターレース(525i)に変換され出力される。
同社薄型テレビ「ビエラ」で培った「PEAKS(ピークス)」プロセッサー、D2接続によるプログレッシプ出力や、光デジタル接続により迫力の5.1chサラウンドに対応するAACへの対応など高画質化・高音質化を図っている。
Stradaとチューナー同士を専用ケーブルで接続することで、Stradaのリモコンでチューナーを簡易操作できる(ただしタッチパネルで操作することが出来ないのが短所)。また運転中にリモコンを操作せずに同系列のワンセグ放送局や緊急警報放送切り替わったり、旅行などで自宅周辺から離れ、受信エリアが変わった場合でも、自宅周辺で見ていた時と同じ感覚で系列局の選局ができる。たとえば、通常、東京でリモコン番号4の「日本テレビ」は旅行など大阪に行くとTBS系列の「毎日放送」になってしまう。しかし旅行先でも自宅のリモコン番号と同じ番号で、同じ系列局が見られる、「お出かけスキャン」なら、大阪でも東京と同じリモコン番号4番で日本テレビ系列の「読売テレビ」が表示できる。これらのさまざまなインターフェイスにより、操作が困難な運転中でも、多チャンネルで機能満載なデジタル放送も家庭と同じ操作性で視聴できることを実現した。また、2009年モデル(DTX400/DTV40)では受信中のエリアを外れて他の受信エリアへ移動した際でもこれまで視聴していた番組の「中継局/系列局」を自動で探し出し、継続して系列番組を視聴できる「放送局サーチ」機能を新たに搭載。従来、手動操作が必要だった放送局のサーチが自動化され、中継局や系列局(おでかけモード設定時のみ)への自動切り換えができるようになった。2010年モデルのDTX600は視聴中の放送局が受信不可となる前に予測し、4チューナーのうちの1つのチューナーで中継局・系列局を自動で探し、瞬時に中継局や系列局へ切り替える「新・放送局サーチ」を搭載。合わせて手動・自動スキャンが高速化された。
従来は、地上デジタル放送のフル規格であるハイビジョン放送(HDTV)の12セグメントのみ受信できたが、高架下などの弱電界エリアや高速走行時では映像がフリーズしたり、黒画面になったりとデジタル特有の現象が発生することもある。そこで2006年3月18日より、TU-DTV100のSDメモリーカード経由によるファームウェアの更新(ダウンロードページ)により業界初となるワンセグ(1セグメント放送)にも対応した。これにより12セグメントより受信可能な範囲は広くなり、弱電界エリアや高速走行にも強くなるが、携帯端末向けのサービスのため、画質・音質は劣る。そこで、受信状況に応じて1セグ⇔12セグを双方向で自動切換えする、「地デジおまかせ受信モード」により、常に最適な受信環境を維持。切り替え時一瞬画面がブラックアウトしてしまうが、必要時以外低画質な1セグメント放送を受信することを防ぐことが出来る。なお、2009年モデル以降はシームレス化により、切替時に一瞬画面がブラックアウトする現象は解消されている。ワンセグなら、東京タワー周辺の首都高速のトンネル内や、50km離れた九十九里浜などでも辛うじて受信可能。しかし、番組表には対応しているがデータ放送や字幕には対応していない。また、EWS(緊急警報放送)の自動受信などの大幅な機能追加となった。
現在は全機種製造を終了。希望小売価格が設定されている機種は発売当時の価格である。
この項目(Strada)上での「AVフルメディア」の定義はMD・DVD(CD)・ラジオ・SDメモリーカード・テレビの各メディアに対応していることを指す。
200mmワイドコンソール用のCN-S300WD/H500WD/H510WD/R500WD/R500WD1はトヨタやダイハツ(トヨタやダイハツが製造を行うスバルの一部車種を含む)の一部車種で対応。別売りのAV一体型ナビ用汎用ケーブルキット(CA-LUK100D/LUK110D)を使用することで、日産やスバルの一部車種にも対応する。
また、DSRC対応機種は発売時期を問わず「ETC2.0」に対応する(2014年10月にサービス名称を「ETC2.0」に改称している)。
太字は現行モデルである。
機能は後述のREシリーズと共通であるが、カー用品店限定モデルである。3年間で1回、無料で地図更新ができる。
機能は前述のRAシリーズと共通であるが、無料の地図更新は用意されていない。
Rシリーズの500系にはナビ単体に加え、DSRC車載器(CY-DSR110D)とDSRC車載器接続コード(CA-DC10D)も同梱し、購入・取り付けた日からITSスポットサービスが利用できるDSRC車載器セットも用意される。
Zシリーズは車両取付時に専用取付キット(BMW・1シリーズ 116i(UE16型)にはCA-FEK100D、その他の車種にはCA-FUK100D)が必要である。
LシリーズのSDモデルは別売りの専用ビューティフルキットとのセットでのみ取付可能で、ナビ単体、または、対象機種以外のナビとビューティフルキットとのセットでは取付不可となる。
すでに欧米では発売されていたが、三洋電機の「ミニゴリラ」が成功したことから国内投入を決めたPND。なお、三洋電機がパナソニックの完全子会社となったことで、2011年モデルから「Gorilla」をパナソニックブランドで発売し、ポータブルナビゲーションのブランドネームを「Gorilla」に統一することから、「Strada Pocket」は生産を終了した。