『thaw』(ソー)は、くるりの未発表作品集(コンセプト・アルバム)。2020年4月15日にデジタル配信。CD盤は同5月27日発売。
以下の解説は岸田繁のオフィシャルライナーノーツを出典とする。
- 心のなかの悪魔
- 2009年『魂のゆくえ』のレコーディング期のリハーサル・テイクをそのまま収録。
- CD版発売日の5月27日に、鳥飼茜の描き下ろしネームを使用したミュージックビデオが公開された[5]。
- 鍋の中のつみれ
- 2008年秋頃、『魂のゆくえ』に向けた楽曲製作のなかで制作。
- アルバムのコンセプトから外れていることを理由に未収録。2008年~09年頃にはライブでも披露されていた。
- エンジニアはトム・デュラック。
- ippo
- 2011年4月、のちにバンドに加入することになる吉田省念、田中佑司と共にセッションしながら書き上げた作品。
- 田中の脱退に伴い、未収録(田中在籍時の音源としては、初めて世に出る楽曲となる)。2011年頃にはライブでも披露されていた。
- チェリーパイ
- 2000年頃、『TEAM ROCK』製作に向けて制作された楽曲。
- アウトロに1stシングル『東京』の音源の一部が用いられている。
- エンジニアは高山徹。
- evergreen
- 2012年製作「my sunrise」から着想し書き上げた楽曲。『坩堝の電圧』期に完成間近となったがスケジュールの都合でレコーディングを中断。
- この曲のみ、本作収録にあたり2020年3月に新たに(録られていなかった)ヴォーカルとオーバーダビング、ミックスを施し完成させた[3]。
- エンジニアは谷川充博。
- Hotel Evropa
- 2007年、『ワルツを踊れ』製作中のヨーロッパ滞在中に録音したインストゥルメンタル曲。
- 楽曲は全て、佐藤の手によって作られ完成している。
- ダンスミュージック
- 『チェリーパイ』同様、『TEAM ROCK』期に制作。インストゥルメンタル曲。
- 本曲のみ正式なタイトルがついていなかったため、本作収録にあたり佐藤が新たに命名した。
- 怒りのぶるうす
- 2003年、大村達身の加入および森信行の脱退後に制作。
- トニー・ドゥーガンのプロデュースのもとで行われたプロダクションのうち、お蔵入りになった楽曲の1つ。
- Giant Fish
- 1998年のメジャーデビューを機に大量に試作された楽曲の1つ。
- 正式なミックス・ダウンではなく、東京都東中野で録音されたデモ音源を収録。
- さっきの女の子
- 2005年『NIKKI』のレコーディング期に制作。
- 人間通
- 「チェリーパイ」同様、『TEAM ROCK』期に制作。
- ブリッジ部に用いられているピアノの循環フレーズは、のちに「ばらの花」で日の目をみることになる。
上記の曲に加えて以下の4曲を収録。
- Only You
- 「Giant Fish」同様、メジャーデビュー時の試作の1つ。
- Wonderful Life
- 大鵬薬品工業「チオビタドリンク」CMソングとして2011年10月から短期間オンエアされていた未発表曲。
- 吉田省念の作曲で、「ippo」と同様、田中佑司在籍時の音源としては初出で、この期にレコーディングされた全2曲がすべて世に出た形となった。
- Midnight Train(has gone)
- 2005年『NIKKI』のレコーディング期に制作。
- ヘウレーカ!
- 『又吉直樹のヘウレーカ!』(NHK Eテレ 2018年)に書き下ろした楽曲。