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| 開発者 |
カノニカル / Ubuntuプロジェクト | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| OSの系統 | Unix系, Linux, Debian | ||||
| 開発状況 | 開発中 | ||||
| ソースモデル | オープンソース | ||||
| 初版 | 2004年10月20日 | ||||
| 最新安定版 |
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| リポジトリ | |||||
| 使用できる言語 | 55以上言語日本語・英語 | ||||
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言語の一覧 日本語・英語 | |||||
| アップデート方式 | APT(UIとして Ubuntuソフトウェアセンター, Synaptic 等) | ||||
| パッケージ管理 | dpkg, Snap | ||||
| プラットフォーム |
x86、x64、ARM、RISC-V、IBM Power、IBM Z [3] [4] [5] [6] [7] | ||||
| カーネル種別 | モノリシック(Linuxカーネル) | ||||
| ユーザランド | GNU Core Utilities | ||||
| 既定のUI | GNOME | ||||
| ライセンス | GPLおよびその他のライセンス | ||||
| ウェブサイト |
オリジナルubuntu | ||||
| サポート状況 | |||||
| サポート中です。 | |||||
Ubuntu(ウブンツ、ウブントゥ[8]、[ʊˈbʊntuː] (
音声ファイル); oo-BOON-too[9])はDebian GNU/Linuxを母体としたオペレーティングシステム(OS)である。Linuxディストリビューションの1つであり、自由ソフトウェアとして提供されている。カノニカルから支援を受けて開発されている。開発目標は「誰にでも使いやすい最新かつ安定したOS」を提供することである。

Ubuntuは使いやすさを重要視している。例えばアプリケーションの観点では、標準的なシステムツールに加えて写真編集ツールのShotwell、オフィススイートのLibreOffice、インターネットブラウザであるMozilla Firefox、メッセンジャEmpathy等が標準で組込まれている。数独やチェスなどのカードゲームやパズルゲームも同梱されている。
セキュリティの観点では、特にLinux入門者を考慮し全権限を持つrootでのログインは標準では無効になっておりsudoを利用する[10]。また最初からすべてのポートを閉じている。アクセシビリティと国際化にも力をいれており、5.04からはUTF-8が標準の文字コードとなった。
名称は南アフリカのズールー語の言葉で「他者への思いやり」を意味するウブントゥに由来する[9]。カノニカルの創業者は南アフリカ生まれでイギリス市民権を持つマーク・シャトルワースである。
現在のユーザインタフェースは橙色を基調としたYaruと呼ばれる。ロゴのフォントはイギリスのフォント制作会社Dalton Maag Ltd.の Ubuntu Font Family である。最初のリリースから9.10(Karmic Koala)までは、Andy Fitzsimonが作成したフォントUbuntu-Titleが使われていたが、10.04(Lucid Lynx)からUbuntu Font Familyが使われている。
現在の標準デスクトップ環境はGNOMEである。以前はGNOME パネルが利用されていたが、GNOME 3のリリースと同時期の2011年4月に独自のUnity (ユーザインタフェース)に変更された[11]。その後、Ubuntu 18.04(2018年4月26日公開)からGNOMEに戻ることが発表され[12]、Ubuntu 17.10から再びGNOMEが採用されている[13]。
他のデスクトップ環境を採用した派生ディストリビューションとして、Kubuntu、Xubuntu、Lubuntuなどがある(Unity時代はUbuntu GNOMEも存在した)。
Ubuntu Serverでデスクトップ環境を利用したい場合、APTのメタパッケージ機能[14]を利用して"ubuntu-desktop"[15]を導入することで実現できる。

ユーザーエージェントによるとインターネットトラフィックの0.5%[16]から0.65%[17]の割合を占めており、Webクライアントの中で最も人気のあるLinuxディストリビューションである。マーク・シャトルワースによると、2006年末までに少なくとも800万人のユーザがいる[18]。カノニカルのChris Kenyonによると2010年4月時点で1200万を超えるユーザーがいた。
サーバー版に関しても、WikipediaをホスティングするWikimedia財団が採用するなど[19]、大規模な採用者も増えている。W3Techsの調査では、2011年6月トラフィックの多いサーバー間のシェアではRHEL(Red Hat Enterprise Linux)を超えた[20]。日本では、北海道夕張市や大阪府箕面市などが、Ubuntuおよびその派生ディストリビューションを導入した。
DistroWatchはオープンソースのOSを紹介しているサイトである。各OSのページ閲覧数を掲載しており[21]、2010年までの数年[22]連続でランキング1位を獲得したが、2018年8月現在は3位である。順位がLinux Mintに抜かれた原因は、11.04から標準採用されたUnityがユーザーに不評だったためだという見解もある[23]。その一方で、Google Trendsの変化は大きくなく[24]、占有率が減少したと決めつけられないという見方もある[25]。Distrowatchの閲覧数ランキングは導入媒体のISOファイルのダウンロード数や実稼動マシン数とは相関性がない。2019年現在、MX Linux、Manjaro Linux、Linux Mint、および Debian GNU/Linux の後塵を拝した状況である[26]。
フリーソフトウェア財団の元会長のリチャード・ストールマンは、Ubuntu 12.10からUnity Lens検索に標準導入されたAmazonの商品検索を使うことにより、検索クエリやIPアドレスがCanonicalのサーバーを通ってしまうことを指摘し[27]、「まるでスパイウェアである」などと批判、利用を控えるように主張した[28][29](自由やプライバシを侵害する事柄へのストールマンの批判はUbuntuに限らない)。マーク・シャトルワースは自身のブログで反論した[30]。16.04のUnity Lens検索からは、標準では無効になった[31]。
UbuntuはDebian GNU/Linux を母体に開発されている。Debian派生ディストリビューションの中にはプロプライエタリソフトウェアやクローズドソースを追加しているものもあるが、Ubuntuは以前、なるべくフリーなソフトウェアを使うことを方針としていたため、Debian の思想に近い位置に立つように努めていた[32]。しかしながら、現在は利便性を考慮してかプロプライエタリなドライバやソフトウェアを標準で組込んでいる。
パッケージは基本的にDebianの不安定版(Sid)を元に作られている[33]。Debianと同様にパッケージファイル形式としてdebを、管理システムとしてAPT/Synapticを使うことができる。ただし両者の「バイナリ互換性」は保証されていない[34]。Ubuntuによる変更点は、Debianのソースパッケージに対するパッチとしてアーカイブする仕様になっている[35]。
Ubuntuは、2004年10月20日[36]にDebian GNU/Linuxから派生したOSである[37]。
現在、Ubuntuコミュニティはカノニカルから資金提供を受けている。2005年7月8日、マーク・シャトルワースとカノニカルはUbuntu財団を創設し、初期投資として1000万USドルを提供したと発表した。財団の目的は今後公開されるバージョンも含めたUbuntuのサポートと開発を保証することである。2006年現在財団は休眠状態にある。この不透明な状況をマーク・シャトルワースは、財団はCanonicalに不測の事態が起きたときの緊急財源であると説明している[38]。
Grumpy Groundhog(気難しいウッドチャック)というコードネームを持ったブランチが計画されている。これは常に不安定な開発・テスト版であり、Ubuntuの一部として含まれる予定のプログラムやアプリケーションをバージョン管理システムから直接ソースコードを取得、修正できる。パワーユーザや上流開発者はパッケージを実際にビルドすることなく最新版プログラムをパッケージ化されたような状態でテストでき、各アーキテクチャ向けのパッケージ化の問題を早期に得られる[39]。Grumpy Groundhogは6か月ごとにDebian Unstableにマージされることになっている[40]。Grumpy Groundhog はまだ公には利用可能とはなっていない。
2008年9月5日、DELLが発表したミニノートPC「Inspiron Mini 9」はUbuntuを選択できた[41]。2009年8月27日にシャープが発表したスマートブック「NetWalker」には、Ubuntu 9.04が組込まれ発売されていた。
2022年5月11日、Microsoft StoreにおいてWindowsのWSL用の開発版Ubuntuの提供を開始した。
公開ごとにバージョン番号とコードネームが存在する。バージョン番号は公開時の年と月から作られる。2004年の10月20日に公開されたWarty Warthog[42]のバージョン番号は4.10である。近年のコードネームは動物の名前がアルファベット順で付けられている。

半年ごとに公開が行われる[43]。OSとしては比較的頻繁である。公開月は通常4月、10月である。GNOMEの公開からおよそ1か月後になるように設定されている。これにより最新版のGNOMEを同梱できるようになる[44]。Ubuntu開発者サミット(UDS)が新版開発前に開催され、世界中の開発者が機能や改善すべき点の大まかな検討をする。
バザール方式という開発方針を採用している。中心となるシステムはLaunchpadである。Ubuntu行動規範に従う限り、全ての人が翻訳や開発に貢献することができる。
暫定リリース版と長期サポート版があり、サポート期間が異なる[45]。有償サポートはUbuntu Proの名称で提供されている。長期サポート版は標準サポート(5年)、拡張セキュリティメンテナンス(次の5年)、レガシー・サポート(その次の2年)と続く。
公開日、サポート期限の状況は、wiki.ubuntu.comに掲載されている[44]。
| バージョン | コードネーム テスト版の名前 |
公開日 | サポート期限 | おもな新機能と変更点 | 備考 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| デスクトップ | サーバー | |||||
| 14.04 LTS | Trusty Tahr[52] | 2014年4月17日 | 2019年4月(通常) 2024年4月(ESM) 2026年4月(レガシー) |
長期サポート (LTS)、
Open vSwitch 2.0.1対応、マルチタッチ対応、高精細画面対応、 拡張セキュリティメンテナンス(ESM)の期間が2年から5年に伸びた。ESMの後にレガシー・サポートが2年間追加になった。 |
LibreOffice 4.2 Linux Kernel 3.13 | |
| 16.04 LTS | Xenial Xerus | 2016年4月21日 | 2021年4月(通常) 2026年4月(ESM) 2028年4月(レガシー) |
長期サポート (LTS)、Python 3への完全移行、Snappy(現・Snap)の導入 | LibreOffice 5.1 Linux Kernel 4.4 | |
| 18.04 LTS | Bionic Beaver[53][54] | 2018年4月26日[55] | 2023年4月(通常) 2028年4月(ESM) 2030年4月(レガシー) |
長期サポート (LTS) | LibreOffice 6.0 Linux Kernel 4.15 | |
| 20.04 LTS | Focal Fossa | 2020年4月23日 | 2025年4月(通常) 2030年4月(ESM) 2032年4月(レガシー) |
長期サポート (LTS) | LibreOffice 6.4 Linux Kernel 5.4 | |
| 22.04 LTS | Jammy Jellyfish | 2022年4月21日 | 2027年4月(通常) 2032年4月(ESM) 2034年4月(レガシー) |
長期サポート (LTS)、GNOME 42を採用 | LibreOffice 7.3 Linux Kernel 5.15 | |
| 24.04 LTS | Noble Numbat | 2024年4月25日 | 2029年4月(通常) 2034年4月(ESM) 2036年4月(レガシー) |
長期サポート (LTS)、GNOME 46 | LibreOffice 24.2 Linux Kernel 6.8 | |
| 24.10 | Oracular Oriole | 2024年10月10日 | 2025年7月(通常) | GNOME 47 | OpenSSL 3.3 Linux Kernel 6.11 | |
| 25.04 | Plucky Puffin | 2025年4月17日 | 2026年1月(通常) | GNOME 48 | LibreOffice 25.2 Linux Kernel 6.14 | |
凡例 サポート中 現行バージョン 将来のリリース | ||||||
LTSの公開後から一定期間内に提供されたパッケージの更新をLTS導入媒体に適用する[56]。Windowsのサービスパック適用済み媒体に似ている。LTSの場合は安定性の面でポイントリリース1から順次適用するのが推奨されている。
| 系統 | バージョン | 公開年月日 |
|---|---|---|
| 8.04 | 8.04 | 2008年4月24日[57] |
| 8.04.1 | 2008年7月3日 | |
| 8.04.2 | 2009年1月22日 | |
| 8.04.3 | 2009年7月16日 | |
| 8.04.4 | 2010年1月28日 | |
| 10.04 | 10.04 | 2010年4月29日[58] |
| 10.04.1 | 2010年8月17日 | |
| 10.04.2 | 2011年2月17日 | |
| 10.04.3 | 2011年7月21日 | |
| 10.04.4 | 2012年2月16日 | |
| 12.04 | 12.04 | 2012年4月26日[59] |
| 12.04.1 | 2012年8月23日 | |
| 12.04.2 | 2013年2月14日 | |
| 12.04.3 | 2013年8月23日 | |
| 12.04.4 | 2014年4月17日 | |
| 12.04.5 | 2014年8月7日 | |
| 14.04 | 14.04 | 2014年4月17日[60] |
| 14.04.1 | 2014年7月24日 | |
| 14.04.2 | 2015年2月8日 | |
| 14.04.3 | 2015年8月5日 | |
| 14.04.4 | 2016年2月17日 | |
| 14.04.5 | 2016年8月4日 | |
| 14.04.6 | 2019年3月4日 | |
| 16.04 | 16.04 | 2016年4月21日[61] |
| 16.04.1 | 2016年7月21日 | |
| 16.04.2 | 2017年2月13日 | |
| 16.04.3 | 2017年8月3日 | |
| 16.04.4 | 2018年3月1日 | |
| 16.04.5 | 2018年8月2日 | |
| 16.04.6 | 2019年2月27日 | |
| 16.04.7 | 2020年8月6日 | |
| 18.04 | 18.04 | 2018年4月26日[62] |
| 18.04.1 | 2018年7月26日 | |
| 18.04.2 | 2019年2月14日 | |
| 18.04.3 | 2019年8月8日 | |
| 18.04.4 | 2020年2月6日 | |
| 18.04.5 | 2020年8月13日 | |
| 18.04.6 | 2021年9月17日 | |
| 20.04 | 20.04 | 2020年4月23日[63] |
| 20.04.1 | 2020年8月6日 | |
| 20.04.2 | 2021年2月4日 | |
| 20.04.3 | 2021年8月26日 | |
| 20.04.4 | 2022年2月24日 | |
| 20.04.5 | 2022年9月1日 | |
| 20.04.6 | 2023年3月16日 | |
| 22.04 | 22.04 | 2022年4月21日[64] |
| 22.04.1 | 2022年8月11日 | |
| 22.04.2 | 2023年2月23日 | |
| 22.04.3 | 2023年8月10日 | |
| 22.04.4 | 2024年2月22日 | |
| 22.04.5 | 2024年9月12日 | |
| 24.04 | 24.04 | 2024年4月25日[65] |
| 24.04.1 | 2024年8月15日 | |
| 24.04.2 | 2025年2月20日 |
| 開発・サポート状況の色分け | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 開発期間 | 標準サポート期間 | 延長サポート期間 | サーバー版のみの延長サポート期間 | 拡張セキュリティメンテナンス | レガシーサポート |

2024年現在、CPUはx86_x64、ARM、RISC-V、IBM Power、IBM Zに対応している[66]。サーバー版では8.04より前のバージョンでSPARCも対応していた[67]。非公式なPowerPC版[68](7.04以前ではPowerPCに公式対応していた)やIA-64(Itanium)版、プレイステーション3版もある[69]。Ubuntu 18.04以前はx86に対応していたが、18.10以降は非対応となった。
デスクトップ版
良いパフォーマンスが得られる「推奨最低環境」は以下の通り[70]。これ以下の低スペックでもXubuntuやLubuntuを利用すれば、必要なメモリやディスク容量は少なくて済む。
サーバー版

標準的な導入で必要機能全てが揃うように設計されている。導入媒体はLive DVDとなっており、HDD等への導入と試用の両方ができる。導入前に使用予定の機種が適合しているかを確認できる。Windows環境からの移行に対応されており[72]、お気に入り、壁紙、設定などを簡単に移行できる。

isoイメージは公式サイトからダウンロードする[73]。イメージ書き込みツールを用いてDVD/USBに書き込む事でLive DVD/USBを作成できる。Live USBはUnetbootinやUbuntuにプリインストールされている「スタートアップ・ディスクの作成」で作成できる[74]。オープンソースカンファレンスなどの会場に行くことでDVDを入手することが可能なこともある。
また、DISCなどから起動できるため、何らかの理由でwindowsが起動できなくなった際、(ただし、HDDなどが壊れていないことが条件)ファイルを救出するなどの用途で使われることがあり、その方法を記した本の付録としてUbuntuのISOイメージがDVD付録として付いてくることがある。
複数PCへの一斉導入や低スペック環境も考慮し、PXEなどのネットワーク起動での導入にも対応している。標準ではTUIでの導入が可能であり、導入時には必要な環境構成を選べる。
ShipItと呼ぶインストールCDを無償送付するサービスを2005年から提供していた[75]。メールで送付先を送るだけで注文することができた[76]。2009年10月に採算上の理由から初めて注文する場合に限り無料となり、それ以降は5枚1組、税抜き送料別で5ポンドで販売することとなった。2011年4月、ShipItは利用できなくなった。
デスクトップ版

デスクトップ版では、一般的にx64の導入用DVDが提供される(Ubuntu 18.04以前はx86用も提供していた)[67][77]。GUIによる導入が行われる。特殊用途向けに Alternate CD 版もあったが、デスクトップイメージの利便性を向上する目的で12.10から廃止となった[78]。
Wubi (Windows-based Ubuntu Installer) と呼ばれるWindowsと共存する環境構築を行うソフトウェアがあり、バージョン8.04から標準搭載されていた。Windowsファイルシステム内に導入できるので、パーティションの切り分けやフォーマットの必要がなく、既存環境を損なうことなくUbuntuを導入/消去できた。バージョン11.10日本語Remix以降には、Localized CD Image toolsの都合により収録がされていない[79]。14.04を最後にWindows 8との整合性に欠ける事、UEFIに対応できていない事などから公式対応が打ち切られた。非公式に開発が続けられている。
サーバー版
サーバー版にはLive機能はなくTUIによる導入のみとなっている。導入後はCUI上でsudo apt-get install ubuntu-desktopを使用してGUIも導入できる。
Windows Subsystem for Linux
2016年4月、Windows 10 Fall Creators UpdateよりLinuxサブシステムとしてUbuntuが動作することが発表された[80]。
全てのパッケージ・ソフトウェアをライセンスやサポートレベルによってコンポーネントと呼ばれる以下の4種類に分けている[45][81]。
| ベース・パッケージ | コミュニティ・パッケージ | |
|---|---|---|
| オープンソース | main | universe |
| 非オープンソース | restricted | multiverse |
自由ソフトウェアにはUbuntuライセンスポリシー[82]に適合したソフトウェアのみが含まれる。これはほぼDebianフリーソフトウェアガイドラインに沿っている。Mainにはいくつかの警告がある。それは「作者の許諾を得ることなく修正のできないバイナリファームウェアや特定フォント」が「再配布を妨害されない限り、Mainの中に含まれてしまうかもしれない」というものである。フリーでないソフトウェアは基本的にサポートされない(Multiverse)。ただしビデオカードドライバのようなバイナリでのみ配布されるデバイスドライバなどは別である(Restricted)[83]。これらは開発者がソースコードを読むことができないので、Mainに比べるとサポートのレベルは落ちる。
MainとRestrictedパッケージは一般的なLinuxの利用に必要なソフトウェアが全て揃うように選ばれている。同じような機能を持ったプログラムやそれほど重要でない特定の用途のプログラム等はUniverseやMultiverseに配置される。
Ubuntu Backports[84]という公式のリポジトリがある。これは特定のソフトウェアに対して不安定版でのみ利用可能な最新版をバックポートするための公式プロジェクトである。これは大局的に管理されているわけではなく、利用者からの要求に対して一定の品質を満たしさえすれば、そのパッケージがバックポートされる。
スクリーンショットを見れば一目瞭然だが、公式ブラウザはFirefox、公式メールクライアントはThunderbirdということになっている。
サードパーティーのソフトウェアを認証するシステムがある[85]。認証を受けたプロプライエタリソフトウェアは動作保証がされる。Ubuntu 21.10以前は、再配布が禁止されているプロプライエタリソフトウェアでもカノニカルとの契約によってpartnerリポジトリからダウンロードできるものがあった。例えばアドビのFlashプラグインや、マイクロソフト(旧:Skype Technologies)のSkypeである。しかし、含まれるパッケージ数の減少から22.04以降ではこのリポジトリは削除された。
カノニカルは2009年よりクラウドコンピューティング向けの開発を進めている。また2012年Ubuntu for AndroidやUbuntu Touchなどを発表し、携帯端末向けインタフェースにも対応した。Ubuntu Edge などの開発、携帯電話ベンダーとの契約を発表した[86]。スマートフォンとタブレット、デスクトップで同じものを共有できるOSを目指していた。しかしながらこの共有方針は撤回となり、またカノニカルはモバイルOS開発の事業からは公式に撤退した[12]しかし結果的に引き継ぎ先として、UBports(OS名およびコミュニティ名)のコミュニティに、モバイルOS開発が「Ubuntu Touch」の名称で引き継がれることになった。

9.04 (Jaunty Jackalope) からサーバー版で Amazon EC2 と同様の機能を実現できる「Eucalyptus」を搭載した。9.10(Karmic Koara)ではクラウド構築用パッケージ「Ubuntu Enterprise Cloud(UEC)」を正式に公開した。クラウド構築用パッケージを提供したのはUbuntuが初めてである[87]。

かつてはオンラインストレージサービス「Ubuntu One」も提供していた。9.04(Jaunty Jackalope)から実験的に、9.10(Karmic Koara)から正式にサポートした。複数のPCやスマートフォンの間でファイル共有ができた。無料で5GBまで同期でき、毎月2.99米ドルまたは毎年29.9米ドルを支払うと20GB容量を拡大できた。10.04(Lucid Lynx)では7digital配給の音楽配信サービス「Ubuntu One Music Store」を展開した。20GBごとに毎月3.99米ドルまたは毎年39.9米ドル支払うことで音楽配信サービスを利用することが出来た。主に以下のものを同期できた。
2014年4月2日、同年6月1日でサービスを終了することを発表した[88]。データは7月31日まで保持されその後削除された。
Canonicalは2023年1月26日(現地時間)に有料サブスクリプションUbuntu Proをリリースした[89]。元々はUbuntu Advantageという名称で有償サポートが提供されていたが、Ubuntu Proに名称変更された。Ubuntu ProはUbuntu 14.04 LTS以降のすべての長期サポート版(LTS)で利用できる。 主に以下のような機能がある。
価格はワークステーションの場合年間25米ドル、サーバーの場合は年間500米ドル。各種パブリック・クラウドでも専用のプランが提供されている。個人利用の場合は最大5台のコンピューターで無料で利用できる。
2015年2月6日、Canonicalがスペインの携帯端末メーカーbqから初めてUbuntu Touch(タッチ操作を中心としたモバイル向けのUbuntu)搭載したスマートフォンをEU限定で発売すると発表(当面はイギリス、スペイン、ポルトガル、スウェーデン)[90][91][92][93]。11日、搭載機種の「BQ Aquaris E4.5 Ubuntu edition」が発売された。
上記の通りスマートフォンからは撤退が発表されている。現在はUBports Communityによって開発が続けられている[94]。
主なものは、Ubuntuの派生品一覧に掲載される。
これらはUbuntuと異なるパッケージを導入するだけであるが、それらのリポジトリはUbuntuと同じである。お互いに全く同じパッケージを使え、それぞれのデスクトップ環境を共存させられる。
| 配布版 | 説明 | |
|---|---|---|
| Edubuntu | 教育用に最適化されたもの。児童が学校や自宅で同等の環境を利用できることを目的としている。 | |
| Kubuntu | Ubuntuのデスクトップ環境を KDE に置換したもの。 | |
| Lubuntu | Ubuntuのデスクトップ環境を LXQt に置換したもの。18.04以前は LXDE を採用していた。比較的「軽い」ディストリビューション。 | |
| Ubuntu Budgie | Budgieと呼ばれるデスクトップ環境を採用。16.04世代から公式入りとなった。 | |
| Ubuntu Cinnamon | デスクトップ環境にCinnamonを採用。23.04から公式フレーバーに[95]。 | |
| Ubuntu Kylin | 中国向けに開発されたディストリビューション。 | |
| Ubuntu MATE | MATE(マテ)と呼ばれるデスクトップ環境を採用。15.04世代から公式入りとなった。 | |
| Ubuntu Studio | クリエイター向けのディストリビューション。 | |
| Ubuntu Unity | かつてのUbuntuの公式デスクトップ環境であったUnityを搭載したディストリビューション。 | |
| Xubuntu | Ubuntu のデスクトップ環境を Xfce に置換したもの。比較的「軽い」ディストリビューション。 | |
Ubuntuの派生品一覧に載っているものの一部は、カノニカルのコントロールを離れ、独自の目的をもった別プロジェクトである。
公式から外れた派生品一覧に掲載。
| 配布版 | 説明 |
|---|---|
| Gobuntu | 自由ソフトウェアのみを利用したディストリビューション。
既に本家に合流しており、この方向性は、 外部ディストリビューションgNewSenseに受け継がれている。 |
| Mythbuntu | UbuntuとMythTVを元に作られた、ホームシアターPC向けのディストリビューション。
デスクトップ環境は標準でXfceを採用している。 |
| Ubuntu for Android | Android端末向けのディストリビューション。 |
| Ubuntu GNOME | Ubuntuのデスクトップシェルを GNOME Shell に置換したもの。
上記の通り17.10より本家の環境がGNOMEに戻ったため、17.04を最後にリリースは途絶えている。 |
| Ubuntu JeOS | 現在はサーバー版の一部に含まれている。 |
| Ubuntu Mobile | 組み込み端末向けに作成されたディスリビューション。現在は、Ubuntu Touchに引き継がれている。 |
| Ubuntu Netbook Edition | ネットブック等の携帯端末向けのディストリビューション。
普通のパソコンに比べて非力なCPU、小さい画面、タッチパネルの存在を 意識した構成となっている |
| Ubuntu Touch | Ubuntu Mobileの後継版。タブレット端末向けのディストリビューション。 |
| Ubuntu TV | スマートTV向けのディストリビューション。 |
次のような複数の非公式な派生物がある。これらのプロジェクトの中には、Ubuntuと密接に関わり、Ubuntuと同時に開発・公開され、パッケージはUbuntuと同じ公式リポジトリを利用しているものもある。

非公式派生品一覧に掲載。
| 配布版 | 説明 |
|---|---|
| Bodhi Linux | Enlightenmentから派生したウィンドウマネージャ、Mokshaを採用した軽量版。 |
| dyne:bolic | マルチメディアの製作・配給向け Live CD。 |
| EasyPeasy | ASUSのEeePCやAcerのAspireなど、ネットブックに特化したディストリビューション。
改名前は Ubuntu Eee としてリリースされていた。 |
| eeeUbuntu | Eee PC専用に構成されたディストリビューション。非公式の日本語版も存在していたが、
統合により開発は終了した。本家はAurora OSに改名し開発を続けている。 |
| elementary OS | デスクトップ環境として独自のPantheonを採用している。macOS風の美しい画面が特徴。 |
| Emmabuntüs | Xubuntuから派生。Xfce採用、dockあり。 |
| Goobuntu | Google社内のみで利用されていたUbuntu派生ディストリビューション[96]。
2018年にGoogleは、OSアップデートのローリングリリースに対応するため、DebianベースのgLinuxを開発して移行した[96][97]。 |
| gOS | 2007年11月1日に登場したUbuntuの派生ディストリビューション。
ウォルマートの低価格PC Everex Green gPC TC2502 用のOSとして開発された。 Googleのオンライン・アプリへのアクセスを優先した設計である。 |
| KDE neon | KDEを採用、LTSから派生。 |
| Linux Lite | Ubuntu LTS(長期サポート版)を基に開発。Xfce採用でアイコンや壁紙が美しい。 |
| Linux Mint | MATEやCinnamonの採用で見た目やソフトウェア環境を変更し、 |
| Peppermint OS | chromiumを搭載している軽量のディストリビューション。
webアプリとの連携も強い。 |
| xPUD | 64MBのディストリビューション[98]。中国企業が支援する軽量版。 |
| Trisquel GNU/Linux | GNU FSDGに適合する100%フリーソフトで構成されたOS。 |
| Zorin OS | Windows風のUIを提供するディストリビューション。
Wineを標準搭載しWindowsアプリも動作する。 |
※原則、DistroWatchのほかSourceforgeやOSDN、雑誌、他言語版を含めWikipediaに記事が存在しないものは掲載しない。
