『ZONE OF THE ENDERS』(ゾーン オブ エンダーズ)は、コナミコンピュータエンタテインメントジャパン(以下KCEJ)が開発・販売した、PlayStation 2用ゲーム『ZONE OF THE ENDERS Z.O.E』及びその続編・外伝シリーズの総称。「Z.O.E」(ゾーイ、ズィーオーイー)と略される。世界観を共有するアニメーション作品も作られている。
“オービタルフレーム”と呼ばれる人間搭乗型の巨大な高機動人型ロボットを操って戦うアクションゲームである。「ENDERS」とは「short-ender」「bitter-ender」の略称の複数形である[要出典]。
キャラクターのデザインやストーリー展開が日本のSFロボットアニメーションを強く意識して作られている。ゲーム(1作目)発売前から同一世界観をもつアニメ作品の製作が決定し、ゲームとアニメを同時に見ることでより深くZ.O.Eという作品を体験できるメディアミックス戦略も行われていた(アニメはOVAと連続テレビアニメの2作品が製作された。どちらも製作はサンライズ及びバップ)。
開発は『メタルギアシリーズ』で名を馳せていたKCEJが行い、メタルギアシリーズを多く手がけた小島秀夫がプロデュースを、同じくメタルギアシリーズのアートディレクターを務める新川洋司がメカニックデザインを担当。KCEJがコナミ株式会社に吸収合併され、コナミデジタルエンタテインメント内開発スタジオである小島プロダクションが発足した後も、基本的には同スタジオによってIP運営がなされていた。
『ANUBIS』以降、長らく休止状態となっていたが、2012年にはゲームやアニメ版がHDリマスター化されて随時リリース。さらに同年5月に行われたイベント「ZONE OF THE ENDERS HD(はいだら)-NIGHT 宇宙最速〜ReBOOT」において、続編を開発していることが発表されたが、HDリマスター版のクオリティ問題によって続編の開発は凍結され、現在に至る。
- 2001年3月 ゲーム第1作『ZONE OF THE ENDERS Z.O.E』(ゾーン オブ エンダーズ、以下『Z.O.E』)発売
- 「ロボットアニメ・シミュレータ」というジャンルを謳い、小島秀夫プロデュースの下キャラクターデザインとカットシーン演出に元アニメーターの西村誠芳を起用するなど、『メタルギアソリッド』に並ぶ“小島組”作品として注目を集める。ゲーム発売直前にはテレビ東京で特別番組も放映されるなど、大々的な宣伝も行われた。
- また初回版には当時発売を控えていた『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ』の体験版が同梱された。
- 2001年3月 アニメOVA『Z.O.E 2167 IDOLO』(ゾーン オブ エンダーズ 2167 イドロ、以下『IDOLO』)発売
- 史上初のオービタルフレーム開発にまつわる物語。『Z.O.E』と同時に発売された。
- 2001年4月 連続テレビアニメ『Z.O.E Dolores, i』(ゾーン オブ エンダーズ ドロレス・アイ、以下『Dolores, i』)放送開始
- 『IDOLO』の直接的な続編。主役はピンク色の女性型巨大ロボット、人間の主人公が家族持ちの中年男性といった特異な要素が情報誌などで注目される。ゲームの設定も活かしたストーリー展開を取り、全26話を同年9月まで放送。
- 2001年9月 『Z.O.E 2173 TESTAMENT』(ゾーン オブ エンダーズ 2173 テスタメント)発売
- KCEJとサンライズの双方のスタッフが参加した外伝作品。主開発はウィンキーソフトが担当。現状ではシリーズ唯一の携帯ゲーム機作品。
- 2003年2月 『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS』(アヌビス ゾーン オブ エンダーズ、以下 『ANUBIS』)発売
- 一連のゲーム・アニメの流れを踏まえた直接の続編。新たに開発された「Z.O.E シェード」とよばれる3DCG描画技術によるグラフィック、ゴンゾ・ディジメーションの制作によるアニメーション、アクションパートとストーリーパートをシームレスに繋いだ演出、より多彩な操作感覚などが盛り込まれた。また、株式会社アトラス所属の金子一馬がゲストデザインとして参加している。
- 2004年〜2011年 シリーズ休止状態中の動向
- 『ANUBIS』以降、小島プロダクションは『メタルギアソリッド』シリーズや携帯機向けの『ボクらの太陽』シリーズ等に注力する状況になったため、Z.O.Eシリーズは長らく新規展開が休止状態となった。小島は小島プロダクション公式ウェブログ「コジブロ」(以下「コジブロ」)にて、ANUBISについて「発売日のタイミングを見誤った為に売上が伸び悩んだ」と言及しており、シリーズ休止の原因として売上不振のため新規企画が立ち上げづらくなったことを示唆している[1]。
- 2006年9月28日、イギリスのゲーム雑誌『PSM3 The PlayStation 3 Magazine』(Future Publishing)の「issue 80」に、「Zone of the Enders 3 Close to the Enders」という見出し、「News just in ZOE is back on PS3」(ZOEがPS3に戻ってくる)という書き出しで、2007年に小島プロダクション製作で新作が作られる予定であるという記事が掲載された(この際は、あくまでも噂の域を出ずに終わった)。
- 2009年10月17日、小島が「コジブロ」にて「『ANUBIS』の続編の企画について概要は既に頭の中には存在しており、時期の約束は出来ないが開発をする」と語る[1]。この際には、一時的にブログへのアクセス数が東京ゲームショウ開催時並みに高まった[2]。
- 2011年9月、東京ゲームショウ2011のコナミブースにおいて、シリーズ再起動を正式表明。『Z.O.E』と『ANUBIS』HDリマスター版の製作・2012年内のリリースを発表した。
- 2012年5月25日、新宿で行われた『ZONE OF THE ENDERS HD EDITION』のプレビューイベント「ZONE OF THE ENDERS HD(はいだら)-NIGHT 宇宙最速〜ReBOOT」では、鳥山亮介をプロデューサーに据えた続編製作プロジェクト「エンダーズプロジェクト」の発表が行われ、シリーズ休止から初めて具体的な続編の製作が表明された。その際、新川洋司画のキャラクターや、胸部のAIボールの箇所に髑髏があしらわれた、オービタルフレームとは似て非なる有機的で禍々しい機体といった、アニメーション要素に拘っていたこれまでのシリーズとは一線を画するリアル要素を重視したイメージデザインが公開された。これに関して小島は、正統続編とは少々異なる方向性で企画を考えていると語った。
- 2012年9月、東京ゲームショウ2012のコナミブースにて、エンダーズプロジェクトの進捗について、小島は「海外市場を意識して例の企画イメージを公開したが、その後の評価が芳しいとは言えない為、ボツにして正統続編で作り直す事にした」と、続編の方向性を『Z.O.E』や『ANUBIS』の流れを汲む『正統続編』に転換する事を表明した。
- 2012年10月25日 『ZONE OF THE ENDERS HD EDITION』発売
- 前述の通りPlayStation 2版の2作品をHDリマスタリングしワンパッケージ化、(PlayStation 3、Xbox 360版)の2機種で同時発売[3]。PS3版には限定版のみ数量限定特典としてメタルギア ライジング リベンジェンス体験版のプロダクトコードを同梱。
- 当初はPlayStation Vita版も予定されていたが、スペック上の問題から発売中止となった。
- 2013年5月3日、「コジブロ」にて配信された「Mogren Radio」にて、『ZONE OF THE ENDERS HD EDITION』のリマスタリングプロデューサー・是角有二がPlayStation 3版の処理落ちの多さに関するユーザーの意見が多かった事を述べ、後日問題箇所を修正したパッチを配信する事を発表した。また同時に、今回の問題に対し続編製作プロジェクト「エンダーズプロジェクト」の一時凍結を発表した。凍結の理由について、小島は「修正されたHD EDITIONをプレイして貰ってから、もう一度続編が欲しいか問いかけたい」と述べていることから、小島氏本人の意思で凍結されたともいえる。
- 2015年3月19日、コナミデジタルエンタテインメントの製作本部制への移行に伴い小島プロダクションが解体、コナミデジタルエンタテインメント第3制作本部第8制作部として再編され、エンダーズプロジェクトは発展的解消となった。
- 2015年9月2日 『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』発売
- Z.O.Eシリーズとは直接関係ない作品ながら、作中武器バイオニックアームのひとつとしてアージェイトとジェフティのサブウェポンである「ウィスプ」を再現した「HAND OF JEHUTY」が登場。
- 2015年12月16日、小島がコナミデジタルエンタテインメントを退社。新たにゲーム開発スタジオ「コジマプロダクション」を設立し独立したが、ZOEシリーズの版権はコナミが所持したままになる。
- 2017年9月19日に開催された「2017 PlayStation Press Conference in Japan」にて、『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS』の4K/VR対応リマスター版である『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS: M∀RS』の制作が発表された。Cygamesとコナミデジタルエンタテインメントの共同開発タイトルとなる。
- 2018年9月6日 『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS: M∀RS』発売
- 2018年9月11日 Xbox360版「ZONE OF THE ENDERS HD EDITION」がXboxOneの後方互換タイトルに加えられたため、M∀RSがXboxOneで発売される必要性がなくなる[4]。
物語の舞台は22世紀の太陽系であり、地球人類は人口問題や環境問題の深刻化から宇宙に生活圏を拡げた。
地球周辺のラグランジュポイントにスペースコロニーが建設され、火星をテラフォーミングし、16のカウンティ(州)を設けて植民地とした。さらに、資源確保のため木星圏にまで進出し、衛星エウロパのラグランジュポイント・L5 にコロニー「アンティリア」を建設した。だが、地球に住む人間の中には火星以遠に住む者を、また火星住民はアンティリア(木星圏)に住む者を「エンダー(田舎者の意)」と呼んで差別する者が少なくなかった。
また、地球の半分以下の重力しかない火星で生まれ育った者は地球出身者に比べて筋力的に劣る(地球出身者に殴られただけで全治数ヶ月の重傷を負うという事例がある)ことから、地球出身者は火星出身者を見下し、逆に火星出身者の中には半ばコンプレックスに基づく反地球的な気運が高まっていった。そうした背景の中、未だ植民地に過ぎない火星では国連宇宙軍 (UNSF) が武力を背景とした監視活動や弾圧を行い、それに対抗して火星側のレジスタンス活動などが活発化。その中でも反地球思想の強いカウンティ「バシリア」は軍事組織「バフラム」を結成、新兵器オービタルフレームを開発して地球の物量に対抗しようとしていた。
ZONE OF THE ENDERS Z.O.E
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2001年3月1日に発売された、PlayStation 2用ロボットアクションゲーム。監督、脚本は岡村憲明。木星の衛星軌道上に浮かぶコロニー・アンティリアを舞台に、偶然から新型オービタルフレーム(OF)・ジェフティに乗り込んでしまった主人公レオ・ステンバックとバフラムの戦いを描いた作品。ストーリーは前後編の前編に当たる。
ゲーム進行については、前半は敵による破壊活動や一部の領域を封鎖されたコロニー内の市街地上空を飛行し、各エリアへ任意に降下することができる。ストーリーの進行に応じて、指定されたエリアへ降下し、敵の撃破や捜索によって発見したローカルサーバーから新機能の追加やサブウェポンを取得(残弾性。一部進行上必須)し、ミッションを攻略する。コロニー上空を飛行中、SOSが発信されることもあり、これに応じるかどうかもプレイヤーに任される。また、コロニー内の構造物に攻撃を加えると警告を受けることがあり、これらの状況によってはエンディングが分岐する。ゲーム後半は、コロニー内部の通路へ向かうルートとなり進行が一本道となる。
開発当初は「アトランティス」というコードネームでセガのドリームキャスト向けに制作が決まっていたが、製作途中にPlayStation 2が発売され、後発機種ゆえに公式スペック上ではDCよりも性能が向上し、PS2の方がメインメモリが多くマップも広くする事が出来るため、発売ハードが変更になったという[7]。
また、初回生産版では『メタルギアソリッド2』の体験版(『メタルギアソリッド2 初体験版』)が同梱されていた。
時は22世紀。火星にまで生活圏を広げた人類は、資源確保のため、木星にまで手を広げていた。木星圏のスペースコロニー、アンティリア。ここで極秘裏に開発が進められていたバフラムの新型OF「ジェフティ」「アヌビス」の2機を奪取すべく、連合宇宙軍はアンティリアを武装占拠した。これに対しバフラムは奪還部隊を差し向け、アンティリアへの攻撃を開始する。コロニージャックに巻き込まれた民間人の少年レオ・ステンバックは、自分をいじめていた同級生たちが命を失う瞬間を目撃する。これでもういじめられずに済むという安堵の気持ちと、知人を見捨てたという罪悪感の板挟みとなりながら必死に逃げ惑う中で、偶然ジェフティが隠された工場に逃げ込み、そのまま搭乗してしまう。
レオはジェフティに搭載されたAI「ADA(エイダ)」の言うがままに、バフラムの尖兵を撃退。その直後に民間輸送船「アトランティス号」の乗組員を名乗るエレナ・ワインバーグから、ジェフティをアトランティス号まで運んでほしいという通信が入る。戦いに巻き込まれることを恐れるレオは拒否するが、ジェフティがコロニーから出ればバフラムもいなくなると説得され、渋々ながら承諾。途中で友人のセルヴィス・クラインを救出し、様々な戦いをかいくぐりながら宇宙港へ向かう。
ジェフティに、そしてレオに異様なまでに固執するバフラムの女性士官ヴァイオラの駆るOF「ネイト」の猛攻を辛うじて退けるも、直後に現れたジェフティの兄弟機アヌビスの圧倒的な性能差に追い詰められたレオは、間一髪コロニーからの脱出に成功する。しかし、無事アトランティス号に辿り着いたレオにADAが語ったジェフティの真の任務は「バフラムが建造中の軍事要塞・アーマーンに侵入し、その中枢部で自爆して破壊する」というものだった。死ぬために火星へと向かうADAをレオは詰問するが、ADAは「それこそが私の存在する意味」と言って譲らない。火星へと針路を取るアトランティス号を映し、物語は一旦の幕を閉じる。
- レオ・ステンバック(Leo Stenbuck)
- 声 - 下和田裕貴
- 主人公。14歳の内向的な少年で、同級生からはいじめを受けていた他、両親も離婚し、父母のどちらからも厄介者扱いされるという孤独な状態にあった。セルヴィスとは幼なじみの間柄[8]。バフラムによるアンティリア襲撃の最中に偶然ジェフティに乗り込んでしまったことから、そのフレームランナーとしてコロニー脱出を手伝うことになる。
- もともと民間人の少年であり、OF操縦の経験も無かったが、戦いを通じて成長していき、バフラムのフレームランナー達と渡り合うほど急速な成長を見せる。敵OFを破壊してもフレームランナーを見逃したり、(プレイヤーの行動如何によっては)機体が不調な状態でも構わず民間人を助けに行くなど、たとえ敵であっても出来るだけ死人を出したくないという思いから自らを危険に身を晒すことも少なくない。戦いを通じて常に一緒だったADAに心惹かれていき、ジェフティの真の任務である「軍事要塞アーマーンでの自爆」を止めようと苦悩する。
- エイダ(ADA)
- 声 - 芳野美樹
- ジェフティに搭載された人工知能。常に理知的な態度でレオをサポートするが、必要とあらばジェフティの自爆をも厭わないほど冷徹な性格であり、戦闘不能となった敵OFのランナーにとどめを刺すよう進言し、拒否するレオを「非合理的」と咎める。しかし行動を共にする上でレオの行動や感情に理解を示すようになり、次第に態度を変化させていく。
- セルヴィス・クライン(Celvice Klein)
- 声 - 堀江由衣
- 14歳。教会の孤児院でボランティアをする、献身的で心やさしい少女。しかし芯はしっかりしており、自らの危険を顧みずに孤児院の安否を確かめに行くなど、頑固で行動的な一面も持つ。レオに救出され共にコロニーからの脱出を目指す中で、戦闘に赴く彼の心の支えとなる。かつてアンティリア移住の際に起こった事故で両親を失い、天涯孤独の身となっている。名前の由来はフランス語の「奉仕(service)」のスペルを替えたもの[8]。
- ヴァイオラ・ギュネー(Viola)
- 声 - 手塚ちはる
- バフラムに所属する、22歳の女性パイロット。ノウマンの部下。ジェフティ・アヌビス奪還部隊の副長を務め、オービタルフレーム・ネイトを駆りレオの前に何度も立ちはだかる。気性が激しく、戦闘そのものを楽しんでいるかのような好戦的な性格[9]。
- スラッシュ
- 声 - 鳥海浩輔
- オービタルフレーム・テンペストのフレームランナー。レオを子供扱いしその実力を見くびっていたが、次第に苦戦を強いられその認識を改める。
- アックス
- 声 - 大西健晴
- オービタルフレーム・タイラントのフレームランナー。ジェフティの不意を突いて一度は致命的なダメージを負わせ、ステルス型無人OF等を用いて自らへの対抗手段を隠匿させるなど用意周到な性格。
- ナイトレイド
- 声 - 押田浩幸
- オービタルフレーム・ネビュラのフレームランナー。野卑な性格で、下品な口調で話す。
- エレナ・ワインバーグ(Elena Weinberg)
- 声 - 夏樹リオ
- アトランティス号の副長。民間輸送船の乗組員を名乗りレオと接触するが、実際にはジェフティの回収と輸送を任された連合宇宙軍特務部隊の一員。任務のためには私情を捨てる強い精神力を持ち合わせている。ジェフティのランナーとなるはずだった人物、アランとは恋人同士だった。
- ロック・サンダーハート(Rock Thunderheart)
- 声 - 梁田清之
- アトランティス号のクルー。大柄な体格と厳つい顔立ち、不躾な口調だが面倒見は良いらしく、ジェフティのランナーとなったレオが子供である事に戸惑いながらもサポートする。アランとは親友だった。
- ノウマン(Nohman)
- 声 - 江原正士
- バフラム軍奪還部隊の指揮官。物語当初はオービタルフレーム・セルキス(劇中には名称のみ登場)に搭乗するが、アヌビス奪取に成功後はアヌビスに乗り換える。本作では声のみの登場であるが、本作限定版に付属しているブックレットの設定画で姿を見る事が出来る。
- アラン
- ジェフティの正規ランナー。本編には登場せず、バフラム軍の襲撃により戦死したとされる。
詳細はリンクを参照。
- オービタルフレーム
- ジェフティ
- アヌビス
- ネイト
- ラプター
- サイクロプス
- マミーヘッド
- テンペスト
- タイラント
- ネビュラ
ANUBIS ZONE OF THE ENDERS
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2003年2月13日に発売されたPlayStation 2用ロボットアクションゲーム。『Z.O.E』の直接の続編に当たる。日本国内では『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS』、海外では『ZONE OF THE ENDERS THE 2nd RUNNER』とそれぞれ異なるタイトルで発売されている。監督、脚本は村田周陽。キャッチコピーは「未確認浮遊快感」、「僕らは、宇宙でやっと自由になれる」。
基本的なシステムは前作を踏襲しており、より機敏に動作するようにモーションが改善され、バーストショットの高速化やグラブ攻撃による敵の保持を拡張、サブウェポンが各残弾性からエネルギー共有式になった・ボタンによる素早い選択が可能になったといった変更点もある。前作では施設破壊を避けることが多かったのとは反対に一部を除いて制限がなく、地形や構造物の被弾による破壊やエフェクトを強化し、外壁や建築材をグラブでつかみ利用することが可能になった。
前作が舞台となるコロニーの各所を何度も往復することが多かったのに対し、本作は舞台進行を一本道とし、特徴的な舞台が次々と入れ替わるようになりメリハリが付いた。また、各キャラクターの応答や提案に、プレイヤーの操作で積極的もしくは消極的な応答・提案の採択を返すことも可能になった。
木星衛星カリストで採掘工をしていた元バフラム軍人ディンゴ・イーグリットが、レオの手によって隠されていたジェフティの発見を機に、過去の因縁に決着をつけるため、かつての上官ノウマンと死闘を演じる様を描く。公式webサイトでは第1作と本作をつなぐ小説が公開されている。
ミニゲームとして、ジェフティ以外のOFを操作できる対戦や作中でのイベント、タイムアタック、撃墜されるまで戦うサバイバル、ボスバトルなどが出来るエクストラミッション、その他に『グラディウス』を模した3Dシューティングゲームの「ZORADIUS」(ゾラディウス)が収録。『Special Edition』ではエクストラミッションが増えている。また、前作のストーリーをダイジェストムービー形式で収録している。
欧米版での追加要素を収録して2004年1月15日に発売された『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS Special Edition』では、追加要素が拡張された他、グラフィックの作りこみ強化、戦闘パートの追加、デモシーンの追加が行われている。
ヴァイオリン演奏に金子飛鳥を起用した主題歌『Beyond the Bounds』(歌:木村真紀、作詞:Scott Dolph & Sana、作曲:桐岡麻季、編曲:久米大作)のスキャットはフィンランド語をベースに創作された造語で歌われており、歌詞のイメージはエジプト神話をモチーフとしている。スタッフの談話では、造語部分は「スペル(呪文)を詠唱するようなイメージ」とされている。オンラインショップのAmazon.co.jpでは1000本以上を売り上げた。オリジナルサウンドトラックにはSanaが歌うテクノポップVer.の「Beyond the Bounds (Mitsuto Suzuki 020203 Mix feat.Sana)」が収録されており、こちらはヨーロッパ版『ANUBIS』のオープニングテーマと、スペシャルエディションの裏オープニングテーマとして使われ、音楽ゲーム『pop'n music 8』のPS2版にも短縮版が収録されている[12](関連のあるコナミ作品の節も参照)。
2018年9月6日には、VRモードにも対応した『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS : M∀RS』が、PS4及びPC(Windows)向けに発売。PS4版はダウンロード版とパッケージ版のほか、特製ブックレットなどが付属する限定版「PREMIUM PACKAGE」も発売された。尚、日本国外ではタイトルを『ZONE OF THE ENDERS THE 2nd RUNNER : M∀RS』として発売されている。キャッチコピーは「ジェフティは存在する。ANUBISはそこにいる」。
前作から2年後。ノウマンが駆るアヌビスと、その基礎技術を応用した新型OFを擁するバフラムは、連合宇宙軍を壊滅状態に陥れ、火星圏を事実上制圧。強大な力を持つ軍事要塞アーマーンの完成を急いでいた。ジェフティをアーマーン中枢で自爆させるという特命を帯びていた連合宇宙軍のエレナ・ワインバーグは、バフラム軍の濃密な警戒網をかいくぐってジェフティをアーマーンに到達させることは不可能と判断、ジェフティを火星まで移送後解体する予定であったが、状況を知ったレオによって移送用カタパルトの射出角度を調整され、自然のメタトロン反応に紛れる形でカリストに隠匿された。
木星の衛星カリストで採掘作業員をしていたディンゴ・イーグリットは、作業中に強いメタトロン反応をキャッチし、原因を調べに向かう。その現場でジェフティの入ったコンテナを見つけるが、ケン・マリネリス率いるバフラムの部隊の襲撃に遭う。ディンゴは同僚達を助けるためにジェフティを駆ってケンを撃破し、敵母艦に潜入するが、かつてのディンゴの上官であったノウマンに遭遇。バフラムへの復帰を求められたディンゴはそれを拒否、背を向けたところをノウマンに銃撃され瀕死の重傷を負ってしまう。
それから2ヶ月後。ディンゴは機械によって失った心肺機能を代替される形で蘇生されるが、機械からのエネルギー供給をジェフティへと直結されたことにより「ジェフティから降りたら死ぬ」身体にされてしまう。ケンは「バフラムに潜入している連合宇宙軍のスパイ」を名乗り、ケンの指示でアーマーン計画の阻止に乗り出すことになる。
- ディンゴ・イーグリット(Dingo Egret)
- 声 - 井上和彦
- 28歳。本編の主人公。かつてはバフラム軍に所属していた元軍人で、ノウマンの部隊(03中隊)に所属していた経歴を持つ。軍内でも、唯一ノウマンに対抗できる腕前を持つと言われたエースパイロット。しかしある事件をきっかけとして、脱走同然にバフラム軍を離れる。
- その後、木星の衛星カリストで採掘作業員をしながら隠棲。偶然オービタルフレーム・ジェフティを発見しそのフレームランナーとなる。
- ケンとの出会いをきっかけにノウマンに再会し、今一度軍に戻るよう要請されるものの、これを拒絶したことでノウマンに銃撃され瀕死の重傷を負う。それから二ヶ月後、オービタルフレームの操縦技術を見込んだケンの手によって蘇生されるものの、失った心肺機能を機械にて代替、ジェフティの動力源で動作させ「ジェフティを降りたら死ぬ」体となってしまう。正常な体へと戻してもらうことを条件にジェフティを駆り、アーマーン計画の阻止に乗り出す。
- ゲーム冒頭では、旧式の作業用LEVで、高い氷壁を三角飛びで駆け上がるといったテクニックを披露している。
- 一見皮肉屋で厭世的だが、本来は正義感が強く情に厚い性格であり、一度仲間と認めた相手には義理を貫く。そのため、バフラムでもカリストでも多くの仲間から好かれていた。
- エイダ(ADA)
- 声 - 芳野美樹
- ジェフティに搭載された独立型戦闘支援ユニット。自らを人間のように扱うレオに対して否定的な発言をしたこともあるが、レオとのふれあいにより、思考はより人間的になっている(ディンゴには「惚れた男に合わせるタイプだな」と評された)。戦闘中には自発的に武器変更を提案するなどの支援も行うようになり、承諾すると自動で武器が変更される。
- ケン・マリネリス(Ken Marinaris)
- 声 - 雪乃五月
- 19歳。ノウマンの部下で、オービタルフレーム・アージェイトのフレームランナー。ノウマンによって瀕死の重傷を負わされたディンゴに、連合宇宙軍のスパイと名乗って近づき、バフラム軍医療スタッフを騙して治療させた。その際、失った心肺機能を機械に依存させる形で蘇生させ、エネルギー供給をジェフティより供給させることで、ディンゴを強制的にジェフティのフレームランナーに仕立て、アーマーン計画の阻止に駆り出した。
- 生真面目だが、冒頭でディンゴと対峙した際には、出会い頭にいきなり拳で殴りかかり、皮肉屋で威圧的なディンゴを相手に一歩も退かずに口論するなど、勝気で男勝りな性格。フレームランナーとしての腕も悪くは無いが、自動化された操縦系が前提で、支援AIを削除されたアージェイトは全く操作できなかった。
- 謎の掛け声「はいだらー!」を叫ぶが、これは脚本担当の村田周陽が思い付いた言葉で、特に意味がある訳ではない。
- 胸が大きく見えるが、小島秀夫は『プロテクターを着用しているため』と述べている。
- 特定条件を満たすとごく一瞬だが薄着状態になる。
- レオ・ステンバック(Leo Stenbuck)
- 声 - 鈴村健一
- 16歳。前作の主人公。アンティリア事件の後、アトランティス号のクルーとなり仲間やジェフティ、ADAを守るため、正式に連合宇宙軍に参加している。そこで機動兵器のパイロットとしての才能を開花させ、最新鋭の可変型アドバンスドLEV「ビックバイパー」のパイロットとなる。
- ジェフティのアーマーン突入、自爆を阻止すべく奔走する中で、覚醒したジェフティとそのフレームランナーとなったディンゴに出会う。当初はディンゴに対して嫉妬にも似た感情を抱くが、ディンゴのランナーとしての腕前と人柄を信じ、ジェフティとADAを託す。
- 前作から担当声優が変わっているが、元々は前作でもパイロット版の段階では鈴村が担当していた。その後、製品版では声優が変わったものの、続編である本作にて当初の予定通り鈴村が担当する形となった[13]。
- ノウマン(Nohman)
- 声 - 小杉十郎太
- 43歳。本名はリドリー・ハーディマン。アーマーン計画の立案者であったリコア・ハーディマン博士の実子であり、現在のアーマーン計画の指導者。優秀なフレームランナーでもあり、オービタルフレーム・アヌビスに搭乗する。
- 普段は爬虫類のように冷徹で、無気味な微笑以外には感情を表そうとしないが、ひとたび感情が高ぶると目を見開き歯を剥き出しにして相手を恫喝する。
- メタトロンという未だ未知の部分が多い物質のもたらすエネルギーに心酔しており、自らが推進しているアーマーン計画の目的も火星圏の武力による支配ではなく「メタトロンとの完全なる融合」とそれによる太陽系世界の完全な破壊である。
- ロイドとの会話内容から、身体に何らかの強化手術を行っている事が解る。
- デルフィ(DELPHI)
- アヌビスに搭載された独立型戦闘支援ユニット。ノウマンの意向により殆ど使用されることはない。
- ヴァイオラAI(Viola A.I.)
- 声 - 手塚ちはる
- 前作で戦死したヴァイオラの一部人格を移植したAI。前作に登場したネイトの後継機であるオービタルフレーム・ネフティスをコントロールする。
- 生前のヴァイオラの闘争本能とジェフティへの執着心をコピーしており、幾度となくジェフティとディンゴの前に立ちはだかり、目的のためなら他のオービタルフレームの制御を乗っ取る事も平気で行う。前作のヴァイオラと共通の台詞がある。
- ロイド(Lloyd)
- 声 - 阪脩
- 70歳。バフラム軍に所属するオービタルフレームのシステムエンジニアであり、アージェイト等の開発をおこなう。自身もオービタルフレーム・インヘルトのランナー。訓練時代のディンゴとも面識があり、師弟のような関係だったらしい。生粋の職人気質で、バフラムの現状を憂いつつも揺るぎない忠誠を捧げている。そのため、ディンゴがアヌビスへの対抗手段を求めて現れた際には、ディンゴの意思を理解しつつも、インヘルトを駆りジェフティと対峙、力を与えるに相応しいか見極めるための試練を与える。最後にはジェフティにゼロシフト起動用のプログラムを転送、自分の要塞に来襲したアヌビスからジェフティを逃がした後、憤慨したノウマンによってインヘルトの頭部ごと潰された。
- 強化手術を受けており、後頭部と前頭部から3本のコネクタが突き出した外見を持ち、本人は「性能を追求した結果」と述べている。
- インヘルトと同じく、金子一馬がキャラクターデザインしている。
- エレナ・ワインバーグ(Elena Weinberg)
- 声 - 小林優子
- 28歳。連合宇宙軍の特務輸送艦アトランティス号の副長。副長ではあるが事実上の指揮官となっている。
- テイパー(Taper)
- 声 - 堀川仁
- 24歳。連合宇宙軍のLEVパイロット。普段は尊大かつお調子者で口も達者な自慢屋。実際はオービタルフレームを見ただけで逃げ出してしまうほどの小心者だが、圧倒的な戦力差を前にしても、仲間の援護のため火星に向かおうとディンゴに協力を求めた。
- リック
- 声 - 岩田光央
- 18歳。採掘作業員。カリストでのディンゴの同僚。線の細いやや気弱な青年。ディンゴを兄のように慕っていた。
- アンジー
- 声 - 日笠山亜美
- 22歳。オペレーター。カリストでのディンゴの同僚。ディンゴに積極的にアプローチしていた。
- ヴォルコヴォ
- 声 - 立木文彦
- 38歳。4人構成のザカートランナーズのリーダー。階級は中尉。ドレッドヘアーとサングラスという容姿の持ち主。複数のランナーで操縦するOFザカートの指揮を取る。
- ザカートランナーズ(ZAKAT RUNNERS)
- ヴォルコヴォの指揮下で、巨大オービタルフレーム・ザカートの操縦を担当する3名のチーム。球形のヘルメットを被っている。
- エリー・ケイトン
- 声 - 熊谷聖香
- 42歳。バフラムの兵器「ベクターキャノン」を奪取した連合宇宙軍エイトヘッド小隊の副隊長。突然現われたネフティスに倒された。
- 無敵艦隊艦長
- 声 - 谷口節
- 54歳。自分の艦隊に絶対の自信を持っている艦長。連合宇宙軍掃討に向かう途中、ジェフティを発見し撃破しようとするが、逆に撃沈される。
- リコア・ハーディマン
- 故人。ノウマンの父親。アーマーン計画の立案者であり、ジェフティとアヌビスの開発者でもある。2171年、ジェフティの作動実験中の事故で死亡。
- リチャード・マリネリス
- 故人。ケンの父親であり、バフラム時代のディンゴの部下。ディンゴも幾度か助けられたことがある。ジェフティとアヌビスを造るためのメタトロン搬入作戦において、連合の部隊と交戦し死亡している。
詳細はそれぞれのリンクを参照。
- オービタルフレーム
- ジェフティ
- アヌビス
- ネフティス
- アージェイト
- インヘルト
- ザカート
- ラプター
- サイクロプス
- マミーヘッド
- ナリタ
- クラッド
- レオパルド
- LEV
『Z.O.E』シリーズは一人のアーティストだけが手掛けておらず、それぞれ作曲者が違う。『ANUBIS』の音楽では6人のアーティストが手掛けている。その中で一つしか楽曲を作っていないのは木村真紀と鈴木光人feat.sanaの2人であり、他はそれぞれ戦闘曲やステージ曲、イベント曲を手がけている。入っている楽曲数とCDの最大録音時間の都合で全曲が曲がループしない、ループ前にフェードアウトする。楽曲の随所に「Beyond the Bounds」のサビ部分、又は歌の部分がアレンジされて入ることがある。
『ANUBIS』のサウンドトラックに入っている曲一覧((アーティスト名))CD番号順。CD番号順はストーリーに沿ってはいない。
- 01 Beyond the Bounds(Full Version) (Maki Kirioka (vocal:木村真紀))
- 02 Jehuty -Vividtransparency- (Akihiro Honda)
- 03 Seek Taper (Toshiyuki Kakuta)
- 04 Leo! Leo! (Akihiro Honda)
- 05 Phobos at Mars (Norihiko Hibino)
- 06 VR Training (Toshiyuki Kakuta)
- 07 Fake Aumaan (Maki Kirioka)
- 08 Ardjet (Akihiro Honda)
- 09 Compression Space (Maki Kirioka)
- 10 Beyond the Bounds (Mitsuto Suzuki 020203 Mix feat.Sana)
- 11 Bahram Battleship (Toshiyuki Kakuta)
- 12 Train (Akihiro Honda)
- 13 Air Fight (Maki Kirioka)
- 14 ALOIVIA (Akihiro Honda)
- 15 Inhert (Maki Kirioka)
- 16 Explosion & Aftermath (Norihiko Hibino)
- 17 Descendring Aumaan (Toshiyuki Kakuta)
- 18 Chaotic Fight (Akihiro Honda)
- 19 Zakat (Toshiyuki Kakuta)
- 20 Final Battle (Norihiko Hibino)
- 21 Jehuty Returns (Norihiko Hibino)
- 22 Trusting Peace (Norihiko Hibino)
『Z.O.E』と関わりのあったディレクターの岡村憲明のブログで、プロジェクト初期のタイトル「アトランティス」のストーリー案、そしてレオが主役だった場合の没ストーリー案が公開されている。同時に、岡村憲明と『Z.O.E』、当時の小島組、小島秀夫との関わりについても記載されている。
レオを主役とした没ストーリーの要約は以下のとおり。詳細は、岡村憲明のブログを参照。
アンティリアを脱したレオは、アトランティス号のメンバーと共に火星へ行き、ジェフティ輸送の本当の依頼者を知る事になる。
その後、一度地球を経由して再び火星へ赴くレオ。アーマーンを用いて火星の人民を人質に取ったバフラムを止めるべく、ジェフティはアーマーンへ乗り込み、アヌビスと対峙する。
戦闘の最中、アヌビスのフレームランナー、ノウマンはジェフティとアヌビス、そしてメタトロンと文明に関係する事柄、戦いの理由を語り始める。
2001年9月27日に発売されたゲームボーイアドバンス用シミュレーションロールプレイングゲーム。
火星と地球を往復する移民船で働いていた主人公ケイジ・ミッドウェルが、船の格納庫で出会った少女ミオナ・オルデランや謎の機体テスタメントと共に火星に降り立ち、反地球レジスタンス組織BISの一員として行動する外伝作品。
時系列は『ANUBIS』の1年前にあたり、他媒体作品のキャラクターもゲストで登場し、一作目に登場した情報端末「ローカルサーバー」も登場した。ストーリー分岐により二つあるエンディングのどちらかを迎える。オプションとしてメカニック・キャラクター図鑑、基本用語ファイルを備えている(キャラクター図鑑は本編ではあまり詳しく語られない設定が多く記載されている物もある)。開発は小島プロダクションではなくウィンキーソフト。シナリオは『スーパーロボット大戦F完結編』に携わったスタッフが担当している。
システムについては、ウィンキーソフトが過去に制作を担当していたスーパーロボット大戦シリーズと共通性があり、資金を使った機体と武器の改造もある。
戦闘時に機体のパラメータを、攻撃は威力と命中率、防御は防御量と回避率のどちらを重視するか調整する事も出来、戦闘時にIAS(後述)を選択した場合は、命中率と回避率がカーソルの速度や大きさ、機体速度に影響される。
本作は通常のシミュレーションゲーム型の戦闘方法(確率による行動の成否)の他に、IAS(インタラクティブ・アクション・システム)という、プレイヤーが介入する戦闘方法を選択し、プレイヤーが能動的に攻撃(クリティカルヒット)や回避を行うことができる。戦闘方法にIASを選択した場合、プレイヤー側が攻撃の場合は、動き回る敵にターゲットカーソルを合わせてボタンを押す事により、攻撃を成功させる。逆に敵が攻撃してきた場合は、敵のターゲットカーソルから逃げ回るように機体を動かし、攻撃が当たらないように回避する。攻撃・回避ともにカーソルや機体のグラフィック内にはクリティカルポイントがあり、これをカーソルの中心で捉える(捉えられる)とクリティカルヒットとなる。
一部のMAP中にはローカルサーバーがあり、サーバーにユニットを置く事で、ステージクリア後にOFの武器、特殊機能が追加される。
- ケイジ・ミッドウエル
- 温厚で優しい少年。17歳、血液型O型。アレスと共に移民船ボナパルトIII号で働いていたところ今回の事件に巻き込まれ、「テスタメント」の搭乗者となる。移民船で生まれ、移民船で育った“宇宙生まれ”であり、「ミッドウェル」という姓は彼が生まれた移民船の船名に由来する。
- ミオナ・オルデラン
- ボナパルト号の格納庫に隠れていた謎の少女。17歳、血液型A型。“黒い機体”との接触事故以降、ケイジ達と行動を共にする。事故の際、記憶を失った。テスタメントと何らかの関係がある。
- アレス・エンドゥーワ
- 17歳、血液型AB型。ケイジと同じ地球火星間を結ぶ移民船“ボナパルトIII”号で働いていた少年。何事もそつ無くこなす天才肌。後にケイジらと共にBISに参加し「ヴィジャヤ」の搭乗者となる。
- ファースティ
- テスタメントに搭載されているナビゲートプログラム。同じプログラムであるエイダと比べて、質問に対する物分かりはよく、多少は人の思考に近い考え方、話し方をする。冗談を交えたりなど、変わったそぶりを見せることもある。偽装中はカタカナとひらがなを逆にしたコンピュータらしい発音で会話していたが、テスタメントが本来の姿に戻ったとき普通の発音にもどった。
- デクスン・ガイズ
- 「エッジ」搭乗者の男性。42歳、血液型O型。BISのリーダー的存在であり、元UNSF軍人。軍人としてエンダーを虐げてきた事への自責の念から組織を設立した。
- ラズマ・カスケイドJr.
- 「ドライツェン」搭乗者の男性。19歳、血液型A型。ノリが軽いBISのムードメーカー兼トラブルメーカー。女好きでチャラチャラした印象を与えるが、根は真面目で一途。
- シミルとは幼馴染で付き合いが長く、彼女の心内を察している。
- シミル・シャンブロウ
- 「カリブルヌス」搭乗者の女性。16歳、血液型O型。関西弁で会話し、ラズマ相手にボケとツッコミを使いこなす。
- 孤児院で育った過去があり、その孤児院とそこで育てられている子供たちを大切に思っている。
- ウォーレン・ルーメンルクス
- 「デュランダルII」搭乗者のサングラスをかけた寡黙な男。33歳、血液型O型。BISに入る以前は傭兵だったが、その当時に起こした過ちから銃を捨て各地を放浪するうちにデクスンと出会い、BISに参加する。
- メビュース・K・ライクラフト
- 「オルクリスト」搭乗者の女性。26歳、血液型B型。常に微笑を絶やさないが、性格は強気で、ラズマからは姉御と呼ばれる。しかし、その笑顔の裏には悲しい過去を秘めている。
- タダミチ・E・ユキトウ
- 「ジャスティーン」搭乗者の男性。24歳、血液型AB型。20世紀後半から21世紀初頭くらいのアニメやB級映画などのサブカルチャーに詳しいオタク青年で、それらを引用したマニアックな例えや突拍子もない話をする癖がある。
- ファーストネームではなくファミリーネームである「ユキトウ」で呼ばれることを好む。
- フィルブライツ・ウェストリバーサイド・ウェアハウスロック26世
- 「ブレイド」搭乗者の男性。17歳、血液型AB型。愛称はフィル。長い髪に色白の肌、高い声と女性的な容姿をしている。異様に長い本名は、彼の父が「長い名前には幸せが宿る」という思いを込めて付けたもの。
- ミオナに想いを寄せており、その事からケイジに憎悪が混じった嫉妬を抱く。
- ロビン・オコンネル
- BISの活動資金や必要な物質を提供している女性。レジスタンスをバックアップするロビン財団の設立者。
- ツィード・グレイ
- ロビンの秘書を務める男性。作戦経路の素早い作成や工作潜入活動なども得意。
- フレイザー
- 治安維持部隊将校。過去は、ティムと呼ばれていた。
- ナディア・キャンディッド
- アセモスの一員。ボロゾフに想いを寄せている。
- ボロゾフ・ヴェラスゴー
- アセモスの一員。階級は少佐。冷酷かつ残虐非道な性格で、自分より下のものを下等な生き物と罵る。特に、マーシャン(火星出身者)を嫌う。
- ネッド・ノアヒム
- UNSFの戦闘隊長の一人。作戦行動として卑劣なやり方を好む。
- アマンテ・フールレア
- 子供っぽく甘い口調で話す女性。自身の持つ天性で入隊時から優秀な成績を収めている。
- デジール・ゼフィルス
- UNSFの幹部。ライアンコーポレーションと共にアニムスと呼ばれるオービタルフレームを開発している。
詳細はそれぞれのリンクを参照
- オービタルフレーム
- テスタメント
- ヴィジャヤ
- イブリース
- デュランダルII
- オルクリスト
- LEV
- ドライツェン
- カリブルヌス
- ジャスティーン
- バイザック
- その他の兵器
- ブレイド
- フィルが搭乗する装甲車。ビームキャノンとリペア機能を搭載。
- エッジ
- デクスンの搭乗する戦車。155ミリキャノン砲を武器とする。サプライ(補給)機能を搭載。
- BIS
- 火星で活動する反地球レジスタンス組織。組織名は宇宙生まれ(Bone In Space)の略字。UNSF側の情報操作によりテロリストと陥れられつつある状況にある。
- UNSF
- 連合宇宙軍の通称。
- アセモス
- UNSF特務部隊の名称。
- ライアンコーポレーション
- NUTに次ぐ業績を持つ企業だが、その差は大きく開いている。
- アニムス
- ゼフィルスがライアンコーポレーションと共に開発したオービタルフレームの名称で、テスタメントの事。
ZONE OF THE ENDERS HD EDITION
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PS3版およびXbox 360版を2012年10月25日に同時発売された。日本国外では『ZONE OF THE ENDERS HD Collection』として発売されている。当初はPS Vita版も発売予定されていた。
『Z.O.E』と『ANUBIS』のグラフィックを解像度720p、フレームレート60fpsにリマスタリング、画角を16:9のワイドモードにするなど、当世代機の標準的な仕様に合わせて製作した。公式サイトではこれを“HD(はいだら)級HS(ハイスピード)ロボットアクション”と銘打っている。リマスタリングは小島プロダクション監修の下、アメリカのHigh Voltage Softwareによって行われている。
このほか、『Z.O.E』と『ANUBIS』を繋ぐ幕間劇的なオープニングアニメーションを、アニメ版で縁の深いサンライズが新規製作。
PS3版『ANUBIS』にてレンダリングの関係で処理落ちが発生していたため、修正パッチ及び修正済み製品版(PS3 the BEST版)が2013年7月25日に配信、発売された。修正パッチの制作は、後にPlayStation 4/Xbox One版『ファイナルファンタジー零式 HD』の製作も手掛けたヘキサドライブによって行われ、描画エンジンの総入れ替えによる処理落ちの改善だけでなく、CPUの演算処理部分の最適化等が行われた結果、パッチ適用前よりも10倍以上の高速化と高精細化が施された[16]。
これにより、Xbox 360版も同様に最適化を望むユーザーの声が多数あったが、Xbox 360版では発売当初のPS3版ほどの処理落ちは発生せず、またセールス状況等を考慮した結果「Xbox 360版の修正パッチ製作は見送る」と小島秀夫がコメントしている。なお、修正済み製品版には『メタルギア ライジング リベンジェンス』の体験版は収録されていないため、Xbox 360版と同様にCERO:Cに区分されている。また、ダウンロード版では『Z.O.E』と『ANUBIS』がそれぞれ単体販売もされている。
『ZONE OF THE ENDERS』と同時発売されたOVAであり、『Z.O.E』より前の時代設定となっている。
2001年に放送されたテレビアニメ作品で、『ZONE OF THE ENDERS』と同時期の時代を描いている。
ZONE OF THE ENDERSの登場兵器
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50音順で表記
- アージェイト (ARDJET)
- 『ANUBIS』に登場。ランナーはケン。アヌビスの基礎研究を元にロイドが作り上げた最新型オービタルフレーム。
- 花魁をイメージしてデザインされており、マントのような外殻と女性的フォルムを持つ。外殻は遠隔攻撃兵装「ウィスプ」の集合体で、独自に進化したシステムは36のハイ・ウィスプと72のコモン・ウィスプから成る。個別に分離して遠距離攻撃武器となるほか、全身を棺のように包み込む防御形態をとって攻撃を完全にシャットアウトし、強力なバーストキャノンを放つ事が出来る。逆に格闘装備が貧弱な為接近戦には向かない。後にヴァイオラAIに制御を乗っ取られたため、AIを消去された。AIのサポートが無くなったOFをケンの技量では操れなかった為、バフラムの追撃を振り切った後に放棄されている。
- 名前の由来はエジプト神話に登場する守護女神、ウアジェトの古代名「ウァージェイト」から。
- アヌビス (ANUBIS)
- 『Z.O.E』『Dolores, i』『ANUBIS』に登場。ランナーはノウマン。サポートAIとして独立型戦闘支援ユニット「DELPHI(デルフィ)」を搭載している。
- 木星コロニー・アンティリアにおいて開発された新型OF。ジェフティと同じくリコア・ハーディマン博士が設計し、その腹心達により開発された。ジェフティと双子の機体であり、2機が近づくと共鳴反応が発生する。ジェフティ同様、軍事要塞アーマーンを起動させるためのキーとしての役割を兼ねている。
- 従来機と桁が違う程のパワーとスピードを持ち[17]、背部に装備された6基の翼状のウィスプは、スラスターと大型ジェネレータを兼ねている。ベクタートラップの圧縮空間を利用した攻撃の反射と屈折、機体そのものをベクタートラップに収容してのステルス行動を可能としている。ウーレンベック・カタパルトの応用による亜光速移動能力「ゼロシフト」も備え、擬似的な瞬間移動を可能とする(アヌビスの方が先に完成していたため、ゼロシフトが使用可能な状態でバフラム軍に奪取された)。
- 武装は電磁式の銛「ウアスロッド」、ジェフティとは違い折れ曲がるように進むレーザー「ハウンドスピア」、2種類の追尾性能を持つバーストショット「戌笛」など。バーストアタックによる攻撃は、火星表面に宇宙から確認できるほど巨大な穴を穿つ威力を持つが設定上、最大出力ではないことが分かる(用語バースト参照)。
- 2172年に勃発したアンティリア事件によって、作戦の指揮官でありリコア・ハーディマン博士の息子でもあるノウマンの手に渡って以降、彼の乗機となる。『Z.O.E』シリーズを通して最強のOFの一つであり、ジェフティと並んで「イレギュラーオービタルフレーム」とも分類される。
- 搭載するAIはジェフティのADAと姉妹機である「DELPHI」。しかし、禁忌とされたメタトロン(機体)との完全な結合を望んだノウマンは彼女の機能をほとんど使用しなかった。
- 『ANUBIS』では、前作でダークブルーを基調としていた機体色が黒に変化した。背部の6基のウィスプが無い模造品も存在するが、当然性能は格段に劣る。
- モデルはエジプト神話における冥界の神アヌビスで、ジャッカルを模した頭部と、ジェフティには無いケーブル状の尻尾を持ち、当初の設定では尻尾のケーブルに「オーバーメガドライバー」という武器を接続させる予定だった。
- アーマーン アヌビス (AUMAAN ANUBIS)
- ジェフティとの対決に敗れ、フォボスで機能停止したかに思われたアヌビスが、アーマーンと合体し、機体性能を向上させた形態。白を基調とした機体色となり、破壊されていた背面のウィスプは複数の六角形の板の集団となっている。バースト攻撃は追尾性が向上し、アーマーン要塞の内壁を吸収してライフを回復することができる。ノウマンは「メタトロンとの完全なる結合」と述べた。
- ネイキッドジェフティとの戦いの末に破壊されており、上半身はディンゴの機転でジェフティの自爆プログラムをトランスプランテーションさせてアーマーンの破壊に利用された。
- イシス (ISIS)
- 『Dolores, i』に登場する主人公機。ランナーはジェイムズ。詳しくはリンクを参照。モデルはエジプト神話に登場する女神イシス。
- イドロ (IDOLO)
- 『IDOLO』『Dolores, i』に登場。フレームランナーはラダム。
- 歴史上初のオービタルフレームで、ダイモス事件を引き起こした元凶でもある。機体のレイアウトはジェフティに酷似しているが、より細身でネイキッド形態に近い印象。
- 最初に搭乗したラダムにメタトロンが同調している為、ラダム以外のランナーが搭乗した場合、拒絶反応を起し操縦を受け付けなくなるか、最悪の場合はランナーが死ぬまで暴走する。
- イブリース (IBLIS)
- 『TESTAMENT』に登場。ケイジが搭乗していたボナパルトIII号を沈めた黒い機体。名前の由来はイスラム教に登場する魔王からで、その名の通り悪魔を彷彿とさせるデザインとなっている。開発者はゼフィルスで、彼が発見した「マレブランケ効果」の応用によって絶大な破壊力を発揮する。
- インヘルト (INHERT)
- 『ANUBIS』に登場。ランナーはロイド。
- バフラム軍所属の試作機。金属製フレームの全身を黒い半透明のゲル状の物質で覆ったオービタルフレーム。ロイドが自身の技術力を使って開発したワンオフ機である。デザインは金子一馬による。
- ゲル状装甲は外部からの衝撃を吸収し、特にエネルギー兵器に対してはオービタルフレーム以上の効力を発揮する。
- コクピットは頭部に存在し、搭乗者は自らの脳にさした金属管によって機体との直接リンクを行い、操縦する。関節の駆動は磁力線の牽引と反発によって行われる。
- 従来のオービタルフレームの基幹技術だったメタトロンを一切使用しておらず、製作者であり搭乗者でもあるロイド独自の設計によって作り上げられた新機軸の機動兵器で、後のLEV開発にも影響を与えることになった。
- 武装は両肩の短剣や浮遊機雷、ホーミングミサイル、F・マインなど。また、ゲル状装甲を霧化した煙幕を発生させ、デコイと呼ばれる分身による幻惑や、暗闇からの奇襲を得意とする。
- 名前の由来は古代エジプトのアビドス、特にティニスで信仰されていた戦の神、アンフルの別表記。
- ヴィジャヤ (VJAYA)
- 『TESTAMENT』に登場。ランナーはアレス、ツィード、デクスンなど様々。
- BIS所属機体。紫色に塗装されている。テンペストのように頭部が笠をかぶったような頭部形状で、忍者の武具のような武装を持つ。
- 忍者らしい特徴そのままに機動性が高いところが特徴。
- オルクリスト (ORCRIST)
- 『TESTAMENT』に登場。ランナーはメビュース。
- 右腕に弓状の武器、エルフェンボウを持ち、中・遠距離戦に長ける。
- クラッド (CLOD)
- 『ANUBIS』に登場。
- ラプターバリエーションの1つで、本体よりも大きい強化外骨格を装着しており、膨れ上がった肩の部分に吸引装置を内蔵している。
- 機動性は低いが、マミーヘッド以上の耐久力を持ち、吸引装置で吸い寄せた敵を拘束して壁や床に叩き付けて攻撃する。
- 主要武器はエネルギーウィップとホーミングショット。
- サイクロプス (CYCLOPS)
- 『Z.O.E』『TESTAMENT』『ANUBIS』に登場。
- ラプターバリエーションの1つで、近接専用の追加装備を施した格闘戦型。
- 機動力が高く、主に両手のナックルアームで接近戦を挑んでくるが、『ANUBIS』ではガントレットによる遠距離攻撃も仕掛けてくる。
- ザカート (ZAKAT)
- 『ANUBIS』に登場するバフラム軍の大型オービタルフレーム。複数人の搭乗者が必要。ランナーはザカートランナーズと呼ばれる3人と、メインランナーのヴォルコヴォの計4名。
- 球形の機体に強力なエネルギー兵器を搭載し、対地爆撃を行う。強力なバリアを張ることで防御形態になるが、バリア発生器が外周にあるため、接近されて引き剥がされると無防備になってしまう。大型のレーザー砲に加え、アームによる打撃で近距離の敵にも対応できる。火星における反乱では制圧兵器として戦果を上げた。
- ジェフティ (JEHUTY)
- 『Z.O.E』『ANUBIS』に登場。主人公が搭乗する機体で、『Z.O.E』ではレオ・ステンバック、『ANUBIS』ではディンゴ・イーグリットがフレームランナーとなった。
- アヌビスと同じく、リコア・ハーディマン博士による設計。
- 木星圏のコロニー、アンティリアで開発中だった新型機であり、アヌビスと同等の性能を持つ現行最強のOFのひとつ。兄弟機であるアヌビスはアンティリアに攻め込んできたバフラム軍に奪取されたが、ジェフティは難を逃れた。
- アヌビス同様に従来の兵器に比べて圧倒的なパワーと機動性を持ち、搭載された独立型戦闘支援ユニット「ADA」の柔軟性もあって、バランスの取れた機体となっている。
- アヌビスと共にアーマーン始動のためのキーとして設計された機体でもあり、軍事要塞アーマーンを始動させることも止めることも、この2機にしか行えない仕組みになっている。それを知った連合宇宙軍の特務艦であるアトランティス号のメンバーによって、ADAの基幹プログラムには「アーマーンへの侵入及び、自爆による破壊」という命令が入力されている。右腕に折り畳み式のエネルギーソード「パドルブレード」、左腕にエネルギーシールド、他にも湾曲して敵を追撃するレーザー「ホーミングランス」、腰部の3基の分離型兵器「ウィスプ」などの各種兵装を装備する。武器弾薬の格納庫としてベクタートラップ機能を持ち、アヌビス同様に「ゼロシフト」も搭載されているが、発動プログラムを着床させる直前にバフラム軍がアンティリアを襲撃したため、『Z.O.E』ではこのゼロシフトは使用できず、『ANUBIS』の終盤で入手した発動プログラムをシステムに着床させ初めて使用可能となった。
- 2172年に勃発したアンティリア事件によって、偶然現場に居合わせたレオの手に渡り、アーマーン要塞への侵入と自爆による破壊のため、アトランティス号で火星へと移送中だった。セレス第3基地でバフラムに襲撃された際、アトランティス号の副長エレナの判断により火星圏へと移送後解体されることが決定していた。発射直前に真相を知ったレオがウーレンベック・カタパルトの射出角度を変更し、ジェフティはメタトロン鉱石の採掘場、木星の衛星カリストへ打ち出され、自然のメタトロン反応に紛れる形で隠匿された。
- 2174年、木星衛星カリストに隠されていたところを、メタトロン採掘作業中のディンゴが発見、直後に発生したバフラムの襲撃に巻き込まれ、そのまま搭乗することになった。アトランティス号内で随時調整されていたのと、素人であるレオと違い、経験豊富かつ一流の腕を持つ(LEVではあるが)ディンゴが操ることで戦闘能力は向上している。
- アヌビスとジェフティは、ディンゴの所属していた第三中隊が壊滅する原因になった、アンティリアへの運搬護衛任務で移送されたメタトロンを用いて建造されたものだった。
- 『Z.O.E』では青と銅を中心とした濃いカラーリングであったが、「ANUBIS」においては薄い青と緑を中心としたものに改められた。他にもイラストやプラモデル等の立体物ではグレーを中心としたものになっているなど、媒体によって若干のカラーリングの差異がある。
- モデルはエジプト神話で神話が多岐にわたる神ジェフティ。
- DELPHIとADAには、同じ名前のプログラミング言語が実在する。
- ジェフティ Ver.2 (JEHUTY ver.2)
- ゼロシフトの発動プログラムがシステムに着床したことで、アヌビスと並ぶ本来の性能を引き出した状態。攻撃力が2倍、受けるダメージが4/5になる。腰に固定していたウィスプは自動で浮遊して近距離、遠距離の攻撃をサポートする。また、敵の通常遠距離攻撃を無効化し、アヌビス以外のOFのバーストショットをシールドで防ぐことが出来る、シールド時エネルギーを消費しない、サブエネルギーの消費量が半分になる、バースト時に触れた敵を麻痺させるといった効果も付加される。ショット、シールド、バースト時や背面と脚部のブースターなどから放出されるエネルギーの色が青から黄緑(両肩の発光部位と同色)へ変化する。
- ダメージド ジェフティ (DAMAGED JEHUTY)
- アーマーンの攻撃で、本体数箇所と背部のベクタートラップが損傷した状態。Ver.2の能力は消失し、ガード、ショット、ホーミングレーザーと、ゼロシフト以外のサブウェポンが使用不能となる。サブエネルギーは無限になっている。攻撃力はVer.2と変わらない。
- ネイキッド ジェフティ (NAKED JEHUTY)
- アヌビスとの対決に勝利し吸収したメタトロンによってダメージドジェフティが自己再生すると共に外装を破棄し、本来の性能を解放した状態。攻撃力は20倍、被ダメージ半減、サブエネルギーは無限となる。ダメージドでは破壊されている頭部、左腕は修復され、白い仮面のような素顔が露出している。ショット、シールド、バースト時や背面と脚部のブースターなどから放出されるエネルギーの色が白へ変化し、バースト時に触れた敵は破壊され、ブレード攻撃はネフティスのシールドも突き破り、1、2回の攻撃でVery Hardまでの大抵のボスキャラクターも撃破できる。投げ技のジャイアントスイングは手で掴んだ敵を口から舌状のブレードを伸ばして突き刺す「デビルキス(DEVIL KISS)」に変化する(一部の攻略本に敵を捕食しNRGゲージを回復できると紹介されているが、実際にはその様な効果は無い)。敵の通常遠距離攻撃を無効化、敵のバーストショットもシールドで防ぐことができる機能も復活するが、アヌビス、アーマーンアヌビスの攻撃にはこの防御能力は通用しない。
- また、ネイキッドジェフティは尻尾の有無によるデザインの違いがあり、ゲーム中では尻尾の無いデザインが採用されている。尻尾のあるデザインは新川洋司画のイラストでのみ存在しているが、後にリボルテックヤマグチにて商品化された際には、尻尾付きのネイキッドジェフティが採用された。
- スパイダー (SPIDER)
- 『ANUBIS』に登場。
- 主に拠点防衛に用いられる歩行戦車。三本の脚で移動する。
- 攻撃能力は低いものの、常にシールドを張っているため防御能力が高く、大量に戦線投入される。スピードは遅いが、跳躍することもできる。正確にはOFではない。
- 名前は「蜘蛛」を意味する。
- セルキス (SELKIS)
- 『Dolores, i』に登場。ランナーはレベッカ。
- 付属肢をすべて格納した飛行形態から、背面側を前に倒立状態で、二股の機首を両足、左右から四本腕を展開した異形の人型となる。さらにサソリのシンボルを持つ女神セルケトに由来し機体名のとおり、後部から蠍の尾のようにコクピットを擁する真の上半身が展開する多段可変型OF。ネビュラやオルタネイトを凌駕する高機動性と、本機を袖にしたノウマンも「火力だけなら一級品」と評価する攻撃力を併せ持った高性能機。その分操縦難度は高いとされる。劇中ではOFの圧倒的な最強であるアヌビス、AD217においてはアヌビスとジェフティを除けば最高峰の性能を持つドロレスと相手が悪く、性能ほどの活躍はできなかった。
- 『Z.O.E』でも名前だけ言及され、アヌビスを入手する前のノウマンの乗機であった。ノウマンはヴァイオラに譲るつもりだったが、彼女の戦死後、同機の行方は不明。
- タイラント (TYRANT)
- 『Z.O.E』に登場。ランナーはアックス。
- 巨大な2本の衝角を備えた、バフラム軍の大型オービタルフレームで、無人オービタルフレームをコントロールする司令機。変形して高機動型になることが可能。『TESTAMENT』では改良型のネロケルビナが登場する。
- タイラントは英語で「暴君」を意味する。
- テスタメント (TESTAMENT)
- 『TESTAMENT』に登場。ランナーはケイジ。
- ケイジがボナパルトIII号で見つけた機体。装甲を取り付けてLEVに偽装されていた。頭部の大きな一本角と武装と一体化した右腕を持ち、他のOFにない足首に該当する関節がある。支援AI「ファースティ」を搭載している。
- テスタメントの名は「契約」や「誓約」を意味し、偽装を解除した際にファースティが提案したもの。
- デュランダルII (DURANDAL II)
- 『TESTAMENT』に登場。ランナーはウォーレン。
- 青い塗装が施されている。両腕にブレードを備え、白兵戦に長ける。
- 前身にあたる機体としてLEVの「デュランダルI」が存在したが、以前の戦いで搭乗していたウォーレンが特攻を行い、失われている。
- 名前は伝説に登場する剣から採られている。
- テンペスト (TEMPEST)
- 『Z.O.E』『Dolores, i』に登場。ランナーはスラッシュ。
- クラゲのようなフォルムを持つバフラム軍の大型オービタルフレーム。広範囲の破壊、制圧を目的とした機体であり、6本のアームに火炎放射器を装備し、強力な火球を武器とする。
- 全力稼動時にはクラゲの傘状部分が多数のウィスプのように分離(ただしこれ自体にどんな意味がある機能なのかは不明)し、烏帽子状の真の頭部が露出する。
- 『TESTAMENT』ではこの機体を模倣して開発されたハルターマルトが登場する。名前は「tempest(嵐)」から。
- ナリタ (NARITA)
- 『ANUBIS』に登場。
- 量産型オービタルフレーム。装甲は薄いが運動性が高い。
- カマキリに似た腕による連続攻撃や、エネルギーを纏っての高速移動による突進を仕掛けてくる。
- 名前はデザイナーの新川が敬愛する成田亨から採られている。
- ネイト (NEITH)
- 『IDOLO』『Z.O.E』に登場。ランナーはヴァイオラ。
- バフラム軍のC型オービタルフレーム。逆三角形の頭部と女性的なフォルムを持ち、腰部から三本のスラスターが伸びている。
- 両腕に仕込まれた射撃武器「クナイ」と鞭状のブレードを主要武器とし、速度や機動性に優れている。
- 試作量産型のオルタネイトが『Dolores, i』に、直系機のネフティスが『ANUBIS』に登場する。これのランナーはヴァイオラのAI。
- モデルはエジプト神話に登場する戦の女神、ネイト。
- ゾンビネイト (ZOMBIE NEITH)
- アンティリアの倉庫でジェフティと交戦し中破したネイトが復活した姿。
- 欠損した両腕は浮遊する残骸で再構築されて格闘戦の間合いが伸び、バーストショットを6発同時発射するなど射撃性能も向上している。
- ネビュラ (NEBULA)
- 『Z.O.E』『Dolores, i』に登場。ランナーは『Z.O.E』ではナイトレイド、『Dolores, i』ではニコライ他。
- ヒトデのような形状のバフラム軍大型オービタルフレーム。機体下面の人面構造部分(顔のように見えるだけで、それ相当のセンサー等の機能部分では無い)に加粒子砲の他、ミサイル、浮遊機雷など多数の武装を機体下面に集中した重爆撃機タイプながら機動性も高く速力はジェフティを凌駕する。後部左右の脚のようなパーツ内に格納されたフレキシブルアームによる格闘戦も可能。『Dolores, i』ではニコライ戦の他、ドロレスの友達になった「はぐれラプター」を破壊するなど敵役として見せ場が多かったが、その後の作品では出番に恵まれていない。
- ネフティス (NEPHTIS)
- 『ANUBIS』に登場。
- バフラム軍所属。ヴァイオラAIが搭載され制御する。前作『Z.O.E』に登場したC型OF、ネイトの後継機となる機体。赤い機体に緑のエネルギーラインが走っている。ベクタートラップを応用した防御シールドを張り、エネルギー攻撃を完全に無効化する。制御AIがジェフティに執着しており、ディンゴが操るジェフティの前にたびたび現れた。大ダメージを受けてもすぐさま完全な状態で復活する等、ヴァイオラAIと同じく亡霊のような存在。アーマーンから無尽蔵に生み出されるコピー品も存在し、こちらのカラーリングは白。
- デザイン上のイメージソースは「華」。
- モデルはエジプト神話における、葬祭を司る女神ネフティス。
- ハトール (HATHOR)
- 『Dolores, i』に登場。ランナーはナフス(ラダム)。詳細はリンクを参照。モデルはエジプト神話における、愛と幸運の女神ハトホル。
- マミーヘッド (MUMMYHEAD)
- 『IDOLO』以外の作品すべてに登場。
- バフラム軍の無人量産型オービタルフレーム。ラプターのバリエーションのひとつで、胴体全面を覆う盾状の装甲を増設した後方支援型。武装はハルバードとファランクス。修理装置も持っている。
- 『Dolores, i』では有人操縦型が登場し、ランナーは第1のヤン。名前は「mummy(ミイラ)」から。
- ラプター (RAPTOR)
- 『IDOLO』以外の作品すべてに登場する、バフラム軍の主力をなす無人量産型オービタルフレーム。主に無人型の機体が大量に登場するが、有人型も存在し、『Z.O.E』ではプログラムを書き換えて操作することもできる。
- 非常に高い汎用性を持ち、装甲を削ぎ骨格だけのような細くすることでコストを抑えており、装備を追加することでマミーヘッド、サイクロプス、クラッドと呼ばれる発展型になる。コマンダータイプと呼ばれる種はパーティーと呼ばれる小部隊を組んで戦う機能も持つ。
- 巨大な単眼状センサーは設定上、敵側の主力機であるLEVファントマのそれと同系とされ、暗躍する巨大企業ネレイダムの存在を示唆している。
- 2年後のアヌビスの技術解析に性能が圧倒的に向上しており、装甲や特殊性を除く基本性能の単純なパワーやスピードはハトールやイシスを軽く超える物となっており、最大戦闘速度は技術向上後の半日以下で地球火星間を移動可能のウーレンベックカタパルト以上物となっている(火星地球間をラプターがこの速度で移動した場合、リアクターの消耗等、機体のパフォーマンスの低下が起きる為やる意味がない)[18]
- 腕及び翼状スラスターを支持する胸郭部分は脊柱フレームに沿ってスライドする構造になっており、これを腰まで下げて長い頸を持つ骸骨鳥状の飛行形態をとるが、この姿は『ANUBIS』スペシャルエディションの追加シーンでようやくの披露となった。名前は猛禽類から。
- シングルソードラプター (SINGLE SWORD RAPTOR)
- 『Z.O.E』に登場。連合宇宙軍との交戦で原形を留めたまま機能停止したラプター。通常は両腕に装備するビームソードの片方が欠損している。
- 劇中ではこの機体を遠隔操作する場面がある。
- ラプター改 (RAPTER COSTOM)
- 『Dolores, i』に登場。ランナーは第1のヤンから第5のヤンの5名。
- ラプターを改良型した機体で、現時点では3種のバリエーションが確認されている。共通することに有人操縦用にするためのコクピットが追加されている。
- はぐれラプター
- 『Dolores, i』に登場。イシスのマス・コントロールシステムの影響を強く受けたラプターで、側頭部の損傷の影響なのか、自立行動をするようになった。言葉を発する能力こそないが、ドロレスとハートフルなかけ合いを繰り広げ、短い間ながら彼女の「同族」で初めての友達として印象的な活躍を見せた。
- レオパルド (LEOPARDO)
- 『ANUBIS』に登場。スパイダーの後継機に当たり、四足獣型の機体に尾のように主砲を備える。二足歩行も可能で、ゲーム中ではスパイダーの弱点であった機動性・格闘能力が比較にならないほど向上している強敵。身体を仰向けにした状態で、四肢で高速滑走し、その状態で回転しながら突進する攻撃も行う。
- カリブルヌス (CALIBURNUS)
- 『TESTAMENT』に登場。搭乗者はシミル。
- 豊富な武装も持ち、機動性を代価に防御力を強化。突撃・火力支援に特化した機体となっている。
- 後部にミサイルパック、ビームキャノンを持つ。
- 名前は聖剣「エクスカリバー」の別名から。
- ジャスティーン (JUSTEEN)
- 『TESTAMENT』に登場。搭乗者はユキトウ。
- 脚部関連を強化したLEVで、機動力と接近戦に特化する。
- 足にエネルギーブレードを仕込んでおり、これを使った強力な蹴り技を持つ。
- ちなみに機体名はユキトウが付けた愛称で、正式名称は「フランキスカ」。
- 採氷LEV
- 『ANUBIS』に登場。
- カリストで採掘作業員が使用するLEV。旧式の民生品で、動きは鈍い。後ろに歩くと「バックします」とアナウンスが鳴る。
- 作業用LEV
- 『Dolores, i』『TESTAMENT』に登場。
- 民間作業用のLEV。重機の延長線上にある為、性能はかなり低いが、民間人が抗議のデモにも使用した。
- ドライツェン (DREIZEHN)
- 『TESTAMENT』に登場。搭乗者はラズマ。
- 長砲身のライフルを装備した狙撃に特化した機体。
- 機体名はラズマの付けた愛称でドイツ語で「13」を表す。正式名称は「トラドール」。
- バイザック (BIZAC)
- 『TESTAMENT』に登場。
- アセモスのメンバー、主に上級士官クラスが搭乗するLEV。機体の一部にメタトロン技術が使われており、性能はファントマを上回っている。
- バイザックS (BIZAC S)
- ボロゾフ専用にチューンアップが施されたバイザックで、通常のバイザックよりも性能が向上している。
- ビックバイパー (VIC VIPER)
- 『ANUBIS』に登場。
- 機体の一部にメタトロン技術を使用した、最新鋭可変LEV。サポートAIや戦闘機形態への可変機構を有しており、従来のLEVを凌駕する機動性や武装を備え、並みのOF以上の性能を持つ。連合軍は「V2」という略称を用いている。
- 変形機構により大部分のバーニアスラスターを背面集中させることによって並みのOFを軽く凌駕する機動力を得る。
- 3機が製造され、先行して完成していた1号機と2号機はアトランティス号にて試験運用され、1号機はサンダーハート、2号機はレオが搭乗した。2機の運用データとジェフティのデータを元に開発されたメタトロン技術を応用し、残像現象によって機体の動作に追従する「オプション」等の新装備を多数搭載した3号機「ビックバイパー零(ゼロ)」が完成し、2号機に続いてレオが搭乗した。
- 戦闘機形態の姿や武装はKONAMIのゲーム作品『グラディウス』に登場する戦闘機ビックバイパーがモデルになっており、スタッフの「変形しそうだから」という意見で選ばれた。
- 戦闘機形態では、グラディウスシリーズ同様のミサイル、リップルレーザー、レーザー、オプション、シールドを使用する。
- ファントマ (PHANTOMA)
- シリーズ全てに登場。
- 連合宇宙軍の量産型LEV。高度な汎用性を有し、多数が投入されているが、性能面ではOFに遥かに劣り、小型の無人戦闘機モスキート(『IDOLO』『Dolores, i』におけるナムス)にも対抗できない。ただし外部武装の高出力ビーム兵器は強力でOFのラプター程度に対しては有効。
- 『Z.O.E』『ANUBIS』『IDOLO』の各シリーズに登場しており、宇宙空間での戦闘を主眼としたS型、地上戦用に特化したG型、『Dolores, i』に登場した水中戦専用のシーファントマ、改良型のファントマIIが存在する。
OFが装備している武器。無人OFも装備している物がある。基本的にどれもがOF用の非常に高出力な物であるので、ものによっては空間破壊を起こすバーストと同等以上のウェポンもありOFの空間障壁のシールドを突破出来るものもある。以下の説明は、ゲームシステム上の表現を含めて解説する。
- ゼロシフト
- 原理としてはウーレンベック・カタパルトと同じだが、こちらは自機の周囲の空間をベクタートラップで圧縮、格納した上で、空間が復元する際の反動で亜光速移動を行い、復元地点で一気に停止するシステム。ウーレンベックカタパルトでは実現不可能なゼロシフトによる機体の移動速度は光速に限りなく近い99.999...%[18]のため、その移動時間の認識・知覚はまず不可能。この機能による瞬間移動を実現し、アヌビスとジェフティは対象へ瞬間的に接近、離脱することが可能になっている。このゼロシフト(加えて桁違いの基本性能)が、アヌビスとジェフティが「最強」と評される所以である。
- 性質上、軌道上に存在する全ての物体を弾き飛ばすが、ゲーム上では建造物に対しては破壊可否問わず激突するとその場で停止してしまう。
- 瞬間移動中の機体はベクタートラップの性質上、攻撃を受けても全く損傷しない。(ゲームシステム上ではダメージが入る)
- ウィスプ
- OFの補助兵器の一種。遠くの標的を掴んだり、スラスターや攻撃時の援護などに使用されている。詳細は後述。
- ジェフティ、アヌビス、アージェイト、ネフティス、ビックバイパーが装備。
- 名称は英語で「群れ」を意味する。
- ベクターキャノン
- バフラムが設計したエネルギー砲。発射までに時間がかかるが、アヌビス・ジェフティのバーストアタックの原理であるメタトロンの圧縮空間能力を利用した空間破砕は当然、圧縮空間による質量断層さえも破壊できる。
- 発射には機体を足場に固定する必要がある。正面にいる敵は自動的にロックされ、発射時に照準内にいれば自動的に撃ち落す。
- 軍事要塞アーマーンの質量断層シールドを突破するのに必要不可欠な武器として、地球側部隊とバフラムの間で奪い合いが続き、ディンゴが手に入れた。
- フローティング・マイン
- 空中に設置できる浮遊型の機雷。装備機によって大きさは異なり、ジェフティのそれは掴んで投げつけることも出来る。
- ザカート、ジェフティが装備。
- ゲイザー
- 敵や地形に貼り付く照射装置を複数、投げるように射出する。照射される光線には触れた敵を麻痺させる効果があり、損傷した味方に投げつけて敵の接近を阻止する使い方もある。
- ガントレット
- 腕部から対エネルギー兵器用シールドも破るエネルギーを纏った実体弾を放ち、相手に物理攻撃を加える。命中した敵を弾き飛ばし、壁に激突させるとさらにダメージを与える。
- 名称は英語で篭手を意味する。
- ビックバイパー、ジェフティ、サイクロプスが装備。
- コメット
- ガード不能な追尾型エネルギー弾。一定時間は対象の周囲を飛び回る為、エネルギー弾が消滅するまで何度も命中する。
- ネフティス、ジェフティが装備。名称は「彗星」を意味する。
- デコイ
- 装甲に瞬間的な負荷をかけて分身を発生させ、敵の攻撃を逸らすことができる。
- インヘルト、ジェフティが装備。英語で囮を意味する。
- ファランクス
- 小型のエネルギー弾を連射する。拡散させて広範囲を攻撃するほか、狭い範囲に集中射撃することも可能。
- ジェフティ、マミーヘッドが装備。
- 名称は古代ギリシア軍の密集陣形ファランクスと同じ。
- ハルバード
- 通常のOFならシールドごと貫く強力なレーザーを撃つ。威力が高いが、エネルギー消費量も多い。照射範囲の変更も可能。
- ジェフティ、マミーヘッドが装備。
- ホーミングミサイル
- 威力と追尾性能の高い誘導弾。同時に複数の敵を攻撃することもできる。ボタン押しの強弱によって2〜20機のミサイル弾数を調節可能。
- インヘルト、ジェフティが装備。
- マミー
- ミイラを意味する。全方位からの攻撃を防ぐ実体シールドを構え、ジェフティの場合攻撃のダメージを機体装甲(エネルギー)に変換する。
- ジェフティ、マミーヘッドが装備。
- モール
- マミーヘッドなどが装備している誘導兵器。表面に装甲をかぶせ、シールドを貫通する機能を持つものは「ハーミット」と呼ばれる。
- ハーミットとは英語で「隠者」を意味する。
- スナイパー
- 狙撃に適した高速実体弾を放出する。超長射程およびエネルギーフィールドにより、エネルギー兵器が霧散及び無力化されてしまう状況でも物理的ダメージを与えることができる。Z.O.Eでは、何故かベクタートラップに格納されていたものを取得している。
- ジャベリン
- 槍状のエネルギー弾を投擲。射程は短いが、エネルギーシールドを貫通することが可能。
- バウンダー
- 地形で弾む爆発弾を投擲。癖が強いが威力は高い。
- オービタルフレーム
- バフラムが火星の民間企業ネレイダム・ユニバーサル・テクノロジーと共同開発した新兵器。メタトロン関連技術が随所に用いられたことで、全ての面でLEVの10倍以上の能力を持ち、LEVや航空兵器では考えられない速度、機動性、推進力、出力、武装、さらに慣性を無視した機動能力等(幾何学的、直角的な動き、最高速から瞬間停止、スラスターを使用せず空中静止する等)を実現している。OF、フレームと略称され、操縦者はフレームランナー、ランナーと呼ばれる。
- ソフトウェア面には高度な人工知能 (AI) を搭載し、初めて搭乗した民間人が戦闘を行えるほど操作は自動化されている(マニュアル操作は可能)。一部の特殊な機体を除き、人型で、人間の小指にあたる部分が親指のような形をしていること(手の形状が左右対称)、脊柱が極端なS字に曲がっていること、胸元に球形のAIユニットがあることなどがデザイン上の共通点となっている。脚部の先端に足に相当する部位は無く、ジェフティなど、着地時に展開式の降着装置を用いて機体を安定させるものもある。
- LEV(レブ)
- 「Laborious Extra-Orbital Vehicle」の略で、宇宙空間における作業用ロボットの総称。作業用のものであっても劇中時代の戦闘機に迫る程の機動性と速力をもち、各種兵装を持つ優れた汎用性があるため、オービタルフレーム登場以前は最強の兵器とされていた[18]。劇中には軍用のファントマ・シリーズが登場するが、オービタルフレームの性能に太刀打ちできず、最新の量産型軍用LEVファントマIIでも量産型の無人OFラプターに劣り、それ以前のファントマでは、ラプター一機との戦力比較で50分の1程度でしかないとされている。ただし中にはオービタルフレームに迫る機動性を持つビックバイパーなどの機体も存在する。
- メタトロン技術以外の部分では技術的に共通点もあり、ラプターとファントマの頭部センサーの構造や、股間にあたる部分から突き出た操縦席の配置が共通している。メカデザイナーである新川洋司は「コック(男性器)にあるからコックピット」と述べている。
- メタトロン
- 21世紀初頭の無人探査計画において、木星の衛星カリストの巨大クレーター「ヴァルハラ」から発見された鉱石。シリコンをベースとした高分子金属の複合体で、水素吸蔵合金や超伝導素材としての特性を持つ。装甲、動力源、量子コンピュータなどの素材に応用でき、それらの産物としてオービタルフレームが実用化された。2093年には、エネルギーとスピンを加えると周囲の空間を引きこむように圧縮する性質も発見されており、宇宙船射出装置のウーレンベック・カタパルトや格納装置のベクタートラップ、エネルギー兵器や実体弾を逸らす障壁、耐G緩衝機構、ステルスシステムの一種に応用されている。
- 「高純度で大量に集中使用すると、人間の精神に反応し「魔法」としか思えぬ既存の物理法則を無視した力を出すが、その強大な「魔力」が使用者の精神を歪め、歪められた狂気がさらに「魔力」を増大させる悪循環を引き起こす」という副作用が存在し、強靭な精神の持ち主でないと、その力は使いこなせないとされている。
- ベクタートラップ
- メタトロンの空間圧縮効果を利用した格納装置。
- スピンとエネルギーを与えられたメタトロンによって圧縮された空間は、本来ならゴムのように急激に復元しようとするが、ベクタートラップではこの歪みに貨物を巻き込んだ状態で固定することで、容積を縮小している。
- 格納した物質の質量は変わらず、大量の電力を必要とするため、コロニー内施設や大型貨物船などでしか使用されていないが、ジェフティは武器、弾薬の格納庫として搭載しており、アヌビスは機体ごと収納させるステルス能力としてベクタートラップを使用している。
- ステルス機能
- OFの装甲には特殊な素子が仕込まれており、カメラ等の映橡機器への記録を困難にしている。
- 作品中のカメラは三次元的な情報を記録し、被写体を絶えずスキャニングしている。OFの装甲に仕込まれた素子はこれを検出し、瞬時に解析、撹乱した情報に置き換えてスキャナーに返送する。この結果、カメラには正常な情報が記録されず、ノイズのかかった意味不明な映像となる。
- フレームレベルの演算能力を持つOF特有の機能だが、稼動状態でなければ働かない。
- 可視光線には影響がないため、光学式カメラなら撮影でき、肉眼でも見える。
- ウーレンベック・カタパルト
- 空間の歪みの復元力を利用し、亜光速までは行かないが超高速航行を可能とした宇宙船用カタパルト。メタトロンの空間圧縮特性を発揮するために必要なエネルギーは、通常船舶に搭載可能なサイズの動力源では賄えないため、軌道上の宇宙港などに専用施設を建設し、これを利用するのが一般的な宇宙交通の手段となっており、軍事利用においてもOFに比べ遥かに足の遅い戦艦の為のものとなっている。空間の歪みの復元力で対象を弾き飛ばす装置であるため、船舶や目標地点には特別な設備を必要としない。
- ZOEの頃は地球火星間を1,2週間で航行可能であったが、アヌビスの技術解析による技術向上が起こった火星側のカタパルトは2年後においては僅か半日以下で航行可能になっている。[18]
- ウィスプ
- OFの補助兵器の一種で、リアクティブ・マニューバとも呼ばれる。
- 機体に装着されるか、間近を漂ってOFに追従している。分離状態でも機体とのリンクを保ち、攻撃の補助や離れた目標を引き寄せるといった用途に用いられる。アヌビスが背部に装備する翼状のウィスプは、ジェネレータと高機動スラスター、ベクタートラップ発生用装置としての複合的な役割を持っている。
- バフラムはアヌビスのウィスプを解析して独自の技術に発展させており、アージェイトは最小限の指揮系統で多数のウィスプをコントロールするシステムを持ち、ネフティスは、用途に応じてブラスターとブレードに切り替わるマルチプルウェポン、防御時にはベクタートラップを応用したシールドの発生装置としての機能を持つものを装備している。
- アーマーン
- メタトロンの空間圧縮特性を攻撃に転用した兵器。火星のバシリア領の地下に建造されており、その大きさはバシリアの領土のほぼ半分を占めている。実際には、地下構造物はアーマーンの制御スフィアに過ぎず、その本体は火星の衛星軌道上の小惑星フォボスそのものだった。空間圧縮効果によりエネルギー収縮を引き起こし、太陽系全域を巻き込み破壊する威力を持つ。完成すれば地球は火星に一切手が出せなくなる。
- アーマーン計画
- 「オービタルフレームの父」と呼ばれるリコア・ハーディマン博士によって立案された計画。その目的は火星の衛星フォボスに建造された軍事要塞「アーマーン」の空間圧縮効果によりエネルギー収縮を引き起こし太陽系全域を巻き込み、全てを破壊すること。中央部に建造されたウーレンベック・カタパルトは、地表に向けることで全てを飲み込む強力な衛星兵器となる。アーマーン計画の一環として、起動及び停止を司る鍵であるアヌビスとジェフティが開発された。
- アンチプロトンリアクター
- 反陽子生成炉。メタトロン製のリアクターによって反陽子を生成、これを陽子と衝突させることで対消滅を起こし、それによって発生したエネルギーを動力や電気エネルギーに変換する半永久機関。これを動力源とすることで、OFは超高出力と小型化を実現した。
- バースト
- OFが一時的に機体の出力を上げること。バースト中の機体は光に包まれる。この状態で行う攻撃はバーストショット、バーストブレードと呼ばれ、OFが展開する通常の質量、エネルギー攻撃では破れない空間障壁シールドを破ることが出来る。空間そのものを破壊[19]してしまう事も可能。威力はOFによって異なる。
- 出力の高いものがバーストすると、接近しただけでもOFすら破壊してしまう事がある。
- ドロレス(イシス)は半分以下の出力で数百kmの衛星を一撃で破壊する事が可能で[19]アヌビス、ジェフティは膨大なメタトロンを使用し超巨大な恒星を消してしまう要塞の砲撃(アーマーン)の数%の威力を持つ[20]。
- ゲーム中はグラブによってつかんだ対象のエネルギー注入も行われる。
- SSA(セルフ・サポーティング・アーマー)
- OFの装甲材。
- メタトロンを基調としたハイブリッド多層積層高分子体。表面を指で押せばへこむ程の弾力性があるが、衝撃に対してはセラミックを遥かに越える超硬度を発揮する。破損した場合、エネルギーやメタトロン鉱石を外部から又は電力を供給することで自己修復させられる。
- その超強度は、OF・ドロレスが時速40万km以上で大気圏に突入して海面に落ちた後、まったくの無傷である事からもうかがえる。
- SSA自体は架空の技術であるが、同じく弾力性と耐衝撃性を兼ね備えた物質にダイラタンシーがある。
- ランナー
- 機体(主にオービタルフレーム)の操縦者の名称として使われる固有名詞。「フレームランナー」とも呼ばれる。
- 時にランナーの操縦技術は機体の性能を上回って勝敗を左右する為、劇中ではそれを示唆するような台詞や描写が多々見られている。
- トランスプランテーション
- メタトロンを用いた端末同士で行われるプログラムの転送。従来の端末間におけるコピー&ペーストとは異なり、プログラムが元の端末から目的の端末に移動することで転送が行われる。
- 対象となる端末はオービタルフレーム同士によるものやローカルサーバー等の施設・機器を使用する。
- はいだら
- ANUBISの劇中にてケンが叫ぶ単語。脚本の村田周陽が思い付いた言葉であり、意味は無く語源も不明である(ビジュアルワークス・オブ・アヌビス、カバー下より)。
- ただし、村田がイベントでユーザーから意味を問われた際には、その度に異なる解答をした事もある。
- 後に発売されたスペシャルエディションのパッケージ裏の説明や後年の商品展開・イベントなどでは折にふれてこのセリフが用いられており、近年ではZ.O.Eシリーズを象徴する言葉になりつつある。
- 海外版の該当シーンでは、「Heave-ho!(わっしょい、よいしょ等の掛け声としての意味)」という単語が使われている。
- METAL GEAR SOLID2・Z.O.E プレミアムガイドブック(2001年3月1日 / メディアワークス)
- ZONE OF ENDERS Z.O.E 公式ガイド(2001年3月23日 / NTT出版)
- ZONE OF ENDERS Z.O.E 公式完全ガイドブック(2001年3月25日 / 双葉社)
- ZONE OF ENDERS Z.O.E パーフェクトガイド(2001年3月26日 / 新紀元社)
- Z.O.E 2173 TESTAMENT 公式完全ガイドブック(2001年10月5日 / 双葉社)
- ANUBIS ZONE OF THE ENDERS 公式ガイドブック(2003年2月20日 / 双葉社)
- ANUBIS ZONE OF THE ENDERS コナミ公式パーフェクトガイド(2003年3月26日 / 新紀元社)
- Visualworks of ANUBIS(ビジュアルワークス・オブ・アヌビス)(角川書店) - 設定資料集。シナリオなども全文掲載。PS2用のセーブデータなどが入ったCD-ROMを同梱。
- ZONE OF THE ENDERS HD EDITION ザ・コンプリートガイド+設定資料集∴HAIDARA EXtended(2013年4月2日 / アスキーメディアワークス) - HD版の攻略に加え、プレミアムエディションにて未収録の設定資料集が収録されている。
- KISS ME SUNLIGHTS - 「Z.O.E」の主題歌マキシシングル。
- Z.O.E ZONE OF THE ENDERS ORIGINAL SOUNDTRACK
- Beyond the Bounds Theme from "ANUBIS" - 「ANUBIS」の主題歌マキシシングル。
- ANUBIS ZONE OF THE ENDERS ORIGINAL SOUNDTRACK
- HIDECHAN! Radio. 2.5 TWO-HAN PRINCESS SINGLES + MUSIC & DRAMA CD
- ZONE OF THE ENDERS ReBOOT EDITION - 「ZONE OF THE ENDERS HD EDITION」の限定版に付属しているCDで、上記主題歌とゲーム音源をアレンジしたリミックス、ADAの特別音声が収録されている。
- ZONE OF THE ENDERS ReMIX EDITION - 「Z.O.E」と「ANUBIS」のゲーム音源をアレンジしたリミックスアルバム。
- コトブキヤ ANUBIS ZONE OF THE ENDERS ジェフティ
- コトブキヤ ANUBIS ZONE OF THE ENDERS ジェフティ HD EDITION
- コトブキヤ ANUBIS ZONE OF THE ENDERS アヌビス
- コトブキヤ ANUBIS ZONE OF THE ENDERS ビックバイパー
- コトブキヤ Z.O.E Dolores, I ドロレス
- グラディウスシリーズ - 変形型LEVビックバイパーのモチーフになったのが、『グラディウス』の自機ビックバイパー。また、3Dシューティングゲーム「ゾラディウス」 (ZORADIUS) も、『グラディウス』が元になっている。
- beatmania IIDX substream - THE EARTH LIGHTが『Z.O.E』にてcityのBGMとして使用されている(Z.O.E.内では「City」〜THE EARTH LIGHT〜という曲名になっている)。
- beatmania APPEND GOTTAMIX2 - 『Z.O.E』のBGM「Anubis (impossible)」のリミックス曲「Z.O.E (gamelan minimal mix)」が収録されている。
- 武装神姫 - OVA「武装神姫 MOON ANGEL」のある部屋にジェフティのポスターが飾られている。なお、あるショップにはアヌビスとビックバイパーが商品の箱に描かれている。
- pop'n music 8 - PlayStation 2移植版に、欧州版『ANUBIS』のテーマソング「Beyond the Bounds (Mitsuto Suzuki 020203 Mix feat.Sana)」がジャンル名「アヌビス」で収録され、主人公ディンゴとヒロインのケンが担当キャラクターとして登場する。
- メタルギアシリーズ
- グランブルーファンタジー - 『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS M∀RS』発売記念としてジェフティがコラボユニットとして登場。